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世界の「ごみ捨て場」からの脱却なるか?

多くのプラスチックが捨てられる東南アジア

 プラスチックごみはどこに捨てられているか知っていますか?これまで、世界最大のプラスチックごみ処理業者は中国でした。中国は世界中の5割近いプラスチックごみを処理してきた世界のごみ処理事業者でしたが、2018年に環境保全を理由にプラスチックごみの輸入を禁止しました。
行き場を失ったプラスチックごみは、フィリピンやタイ、ベトナム、マレーシア、インドネシアなどの東南アジアに輸出されるようになりました。フィリピンでは、2018年のプラスチックごみの輸入量は約1万1800トンと、2016年の2.5倍にまで増加しています。

 これらの国々には、何十万トンというごみを処理できる施設はありません。今や東南アジアは先進国の「ごみ捨て場」になっていると、環境保護団体は指摘しています。「リサイクルのために」輸出されたプラスチックの一部は川や海に不法投棄されるほか、燃やされて有毒ガスを放出するなど、環境汚染を引き起こしているというのが実情です。

 そういったことから、東南アジアの国々では、続々と対策に乗り出しました。タイやベトナムは、環境保護のためにプラスチックごみの受け入れ規制を決定し、フィリピンは8月から3ヵ月に渡ってプラスチックごみの輸出が禁止されました。しかし、環境保護活動家たちは、これらの措置が他の国へのごみの不法投棄を引き起こすことを懸念しています。「ある国が輸入を禁止しても、輸出業者は別の受け入れ先を探し続けるでしょう。問題解決のためには、ごみを徹底的に削減しなければなりません」と、マレーシアの環境保護活動家は述べています。

プラスチックごみ削減に向けた取り組みが始動

 世界のプラスチックの総生産量は、1950年の約200万トンから、2015年には3億8000万トンにまで増加しましたが、そのうちの20%しかリサイクルされていないのが事実です。特に発展途上国ではプラスチックごみが適切に処理されず、環境汚染などの原因となっています。

 この状況を変える特効薬は、プラスチックの使用を減らすほかありません。グリーンピースが今年四月に発表した報告書によると、中国のプラスチックごみの輸入禁止措置後に、世界のプラスチックの輸出が半減しました。国際リサイクル局のアルノー・ブルネット局長は、「規制で市場は混乱し、各国に影響を及ぼします。しかし長期的には、それはリサイクル産業と輸出国への投資を促し、リサイクルの質を高めるでしょう」との見解を述べました。

 今年5月、世界180か国が採択するバーゼル条約が改正され、プラスチックごみの輸出にあたって、相手国との合意が必要になりました。また、先進国の大手化学メーカーを中心とする約40社は1月、非営利団体「廃棄プラスチックを無くす国際アライアンス」を設立し東南アジアを中心に今後5年間で10億ドル(1070億円)を投資すると表明しています。これらの取り組みが、東南アジアを先進国のごみ捨て場から、ごみ再生の場へと生まれ変わらせることができるのか、注目されています。

Sauce:https://www.nikkei.com/article/DGKKZO49583610Z00C19A9FFE000/
https://amp.dw.com/en/amid-plastic-deluge-southeast-asia-refuses-western-waste/a-49467769
http://www.chinadaily.com.cn/global/2019-08/05/content_37498625.htm
Photo : Adobe Stock

(エコイスト編集部)

2019.10.23