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日本がまたも皮肉な賞を受賞

 気候変動問題に取り組むNGOの国際連携組織である気候変動アクション・ネットワーク(Climate Action Network =CAN)が、1999年の国連気候変動枠組条約などの締約国会議(COP5)から始めた“Fossil of the Day Award”と“Fossil of the Year Award”という皮肉な賞。「化石賞」というネーミングのこの賞は、締約国会議開催中、地球温暖化対策への各国の姿勢の調査を行い、地球温暖化対策で消極的な政策や発言を示した国とその年に最も温暖化対策で劣っていた国を公表するというもの。

 現在、スペインのマドリードで開催されているCOP25での“the Day Award”の初日の受賞国が発表され、日本、オーストラリア、ブラジルが選ばれました。オーストラリアは、非常事態宣言まで出された東海岸全体の森林火災危機に対する政府の活気のない対応に対して、そして、ブラジルも同様にアマゾン熱帯雨林の大規模な森林火災やパンタナールと呼ばれる大湿地帯での相次ぐ森林火災への対処を理由として賞を授与した。ちなみに、日本は初の受賞ではなく、これまでも受賞経験はある。

 国連が先月の報告書で、世界的な再生可能エネルギーの流れの中で、石炭火力発電所の新設を中止し、既存の発電所を段階的に廃止するよう日本に求めていたが、12月3日の梶山弘志経済産業相の「選択肢(エネルギーミックスのために)としては、石炭火力発電所や化石燃料を使用する発電所を維持したい。」という記者会見での声明を受けての受賞となった。

 東日本大震災以後、日本の原子力発電所はほとんどが停止した状態にあり、年間の発電量の約8割を天然ガス、石炭、石油発電で賄っている日本。そして、安定再生可能エネルギーの水力発電と変動再生可能エネルギーの太陽光発電の発電量が2割弱という状況では、確かに調整電源としての石炭火力の必要性を否定はできない。しかし、会見という場で、「再生可能エネルギーの拡大や二酸化炭素の排出削減に向け、技術開発を進める考えがある」という曖昧な発言を重ねたことは、受賞への後押しをしたといえるであろう。COP25という世界が注目している会議と同時期に、さらには、今回の会議には積極的な参加を行なっていない日本。その国のリーダーのひとりが、具体性のない話をすれば、揶揄されても仕方はない。

 金融業界でのESGを踏まえた動きなどを鑑みても、環境相、経済産業相と国土交通相でONE TEAMとなって、次世代エネルギー社会の具体的な計画を国民に、そして、海外に向けて、1日も早く明示すべきタイミングではないのでしょうか。

(エコイスト編集部)

2019.12.06