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SDGsウォッシュ⁈とは・・・

CSRという言葉はご存知の方も多いでしょう。1990年代後半から注目され始めたワードで、“corporate social responsibility” 日本語訳では「企業の社会的責任」という訳になります。また、いっぽうでCSVという言葉が2010年代になると登場しました。“Creating Shared Value” 日本語訳では「共有価値の創造」と訳されます。CSR 、CSV共に企業が主体となるワードですが何がどう違うのか。実はこの2つのワードは似て非なるものなのです。

CSRは企業が利益のみを追求するのではなく、全てのステークホルダー(利害関係者)に適切な対応を取ること、環境問題に配慮すること、そして、地域社会に貢献するなど、企業という組織が「一市民」として果たすべき責任のことと定義されています。そして、CSVは企業が社会的規制、課題を自社のリソースを活用して改善することによって、その企業自体の生産性や技術力も高まるという考え方です。

要するに、CSRは本来の事業とは相関性がほとんどないボランティアや寄付を通じて自社のイメージ、価値を向上させるというもの。いっぽう、CSVは企業が保有する各種リソースを活用し、ビジネスとして社会的課題を解決するもの。すなわち、乱暴な言い方になりますが、CSRは人とお金、CSVは人とテクノロジー、ナレッジで社会に貢献するということではないかと考えます。

ここまでで、タイトルのワードが1回も出て来ないことに疑問を持たれているのでは。

各事業者によって解釈の仕方は異なるのは当然だと思いますが、私たち、エコイスト編集部はSDGsをCSRの延長と考える解釈には違和感を持っています。何故ならば、SDGsの一番目に掲げられている目標である「貧困をなくそう」をCSR的視点で対処するとしたら、お金、もしくは、食料を寄付すればいいになってしまうからです。それは、サステナブルと言えるでしょうか?

寄付といった形態ではなく、貧困に直面している人たちに仕事で対価を得られるような技術を教えてあげるであるとか、その人たちが仕事を得られるような市場を開発してあげること。すなわち、CSV的視点での対応がSDGsではないかと考えています。企業が保有するテクノロジー、ナレッジといったリソースの延長線上ではないSDGsは持続可能が難しいのではと思うのです。

CSRに対する偏見はないですが、企業イメージの向上のための単なる施策と捉えられている傾向を強く感じるまでです。昨今では、同様なケースとして、SDGsに対する取り組みも使われ始めているように思います。そのため、SDGsウォッシュというワードも登場したのではないでしょうか。

元々の語源はホワイトウォッシュで、「〜のうわべを飾る、〜をごまかす」という意味です。ここから次に造語として生まれたのがグリーンウォッシュ。消費者に対して、製品、サービスなどをあたかも環境に配慮しているように見せかけているような企業を非難する際に使用されています。最近では、電力小売自由化以後、再生可能エネルギーをアピールする電力会社も増えましたが、電源構成上、厳密には再生可能エネルギーではないとされるFIT制度を活用した電源を、再生可能エネルギーと混同するような見せ方で訴求しているところもあるようで。

そして、2015年にSDGsが国連で合意されて以降、実態が伴わないにも関わらず、企業のイメージ向上のためにSDGsを利用するような企業が現れてきたところから、SDGsウォッシュという言葉が使われ始めました。SDGsは地球上の人類が地球と共生し、存続していくための共通認識であって、決してマーケティング戦術の一つではないことをお忘れなく。

(エコイスト編集部)

2019.08.23