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SDGsは地球上の人類の指針

幅広い社会課題から「誰も置き去りにしない」という決意

最近やたらとあちこちでSDGs (エスディージーズ)という言葉を耳にしませんか? これは、国連が世界をリードして2015年に採択した「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に盛り込まれた具体的な目標です。

「SDGs」は「Sustainable Development Goals」の略で、日本語に訳すと「持続可能な開発目標」となります。内容は多岐にわたるのですが、世界を悩ませる貧困や飢餓、エネルギー、平和、そして気候変動など、地球規模の課題を具体的に示したのです。今回は、このSDGsについて見ていきたいと思います。

実は国連では2001年、これに似た「ミレニアム開発目標」(MDGs=Millennium Development Goals)」というものを設定しました。主に途上国の抱える貧困などの課題を解決するためのもので、各国で取り組みがなされ、日本も主にODA(政府開発援助)の形で途上国支援に取り組みました。

しかし、このMDGsでは、途上国の問題を本質的に解決するまでに至らず、課題を積み残していました。また途上国には、先進国主導で進むことへの違和感もありました。このMDGsの教訓を生かして新たに提唱されたのがSDGsというわけです。

前述のアジェンダでは、SDGsに定められた目標から「誰も置き去りにせず」「2030年までに」達成するという強いメッセージが込められています。

SDGsの特徴は、最初の目標設定から途上国を巻き込んで議論したことです。ここにMDGsの教訓を見て取れます。そのため公共工事のような開発支援だけでなく、人権や教育、安全な水とトイレといった幅広い分野の課題が盛り込まれています。つまり、「自分たちのありたい姿」を、「自分ゴトとして捉えた」目標だと言えます。SDGsが目指す目標は、全部で17に及びます(最後にまとめました)。

例えば、第1の目標「貧困をなくそう」では、2030年までに貧困の割合を半分にすることや、1日1.25ドル未満で生活する人と定義されている極度の貧困を撲滅することを目指すなどとしています。一つ一つの目標を、より具体的に定義しているところに本気度が感じられます。

一方第7の目標では、持続可能なエネルギーの提供を目指すとし、再生可能エネルギーの割合の拡大や、クリーンエネルギーの研究開発や利用拡大を目指して国際協力を強化するとして、グローバルな解決策の模索を呼び掛けている点も特徴です。

●SDGsはCSRの進化形?

いま世界では、大企業を中心に、このSDGsを企業活動とリンクさせようという動きが加速しています。製品を売ったりサービスを提供したりすることが自社に利益をもたらすだけではなく、SDGsに定める地球規模の目標達成につながるという活動で、それが企業自体の価値を高めるという考え方です。これを後押ししているのは、同じ商品を買うなら、環境やエネルギー、困っている人のことを真剣に考えている企業のものを買いたい、といった消費者の意識変化です。こうして企業活動そのものが社会課題解決に直結する取り組みを、CSV(Creating Shared Value、共有価値の創造)と呼びます。

1990年代以降、企業の社会的責任(CSR)という言葉が流行し、さまざまな社会貢献活動が行われましたが、SDGsはCSRとは根本的に違います。CSRは本業で稼いだ利益の一部で植林活動を行うといった具合に、本業のビジネスとリンクしていないことがほとんどでした。しかし、CSVでは、例えばファストフードチェーンがストローをこれまでのプラスチック製から、ある途上国で取れる植物の茎に替えるといったように、本業の営利活動である資材調達が、途上国での新たな雇用の創出、消費地ではプラスチックごみの減量、海洋汚染の抑止といった結果につながるのです。そして、このような取り組みが評価されて企業の価値が高まり、顧客はその企業を意識して選択するようになる。そんなストーリーが成立するのです。SDGsは、こうした企業のCSV経営にとって、とても取り組みやすいテーマを与えてくれたのです。

SDGsは資金と人的リソース、グローバルネットワーク、物資などを持ち合わせた企業への、国連からの社会課題に対する「協力要請」と言えるかもしれません。それに対してわれわれ生活者は、「企業活動を評価する眼・応援する意識」を持つことで、SDGsに直接関与できるといえます。

SDGsの17の目標は、それぞれが決して個別の課題ということではなく、地球、社会、経済が複雑に絡み合って構成されています。どれか一つを取り組めば良いという考え方ではなく、企業も消費者も持続可能な社会を構築していくためには何をすべきかを考えていかなければいけない時代であるということを認識することが重要であります。

【SDGsにまとめられた2030年を年限とする17の国際目標】

目標1 貧困をなくそう
目標2 飢餓をゼロに
目標3 すべて人に健康と福祉を
目標4 質の高い教育をみんなに
目標5 ジェンダー平等を実現しよう
目標6 安全な水とトイレを世界中に
目標7 エネルギーをみんなに、そしてクリーンに
目標8 働きがいも経済成長も
目標9 産業と技術革新の基礎をつくろう
目標10 人や国の不平等をなくそう
目標11 住み続けられるまちづくりを
目標12 つくる責任、つかう責任
目標13 気候変動に具体的な対策を
目標14 海の豊かさを守ろう
目標15 陸の豊かさも守ろう
目標16 平和と公正をすべての人に
目標17 パートナーシップで目標を達成しよう

(エコイスト編集部)

2019.04.01