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【SDGsカジュアル講座#4】「地球温暖化」。これからどうなるの?(その1)

持続可能な次世代社会を構築するための最大の課題

地球温暖化はここ数年で登場した話題ではなく、1988年以降ずっと言われ続けている問題です。地球温暖化による気候変動問題は、これからも地球で暮らし、持続可能な次世代社会を構築するためには、解決する必要すべき最重要課題の一つです。
 

地球温暖化・気候変動が引き金となった自然災害

2019年は、世界中の若者たちが世界の指導者や巨大企業の経営者たちを相手に、大きな声を上げ始めました。グレタ・トゥーンベリさんを筆頭とする若者たちの抗議活動は、ソーシャルメディアの発達により、瞬く間に全世界に広がり、日本の若者たちも、世界中の若者と歩調を合わせて、様々な抗議活動を展開するなど、大きなムーブメントとなりました。

世間的には、去年から環境問題がクローズアップされはじめていますが、それ以前の2015年には、パリ条約が採択され、『世界の平均気温の上昇を1.5度未満に抑える努力をする』という目標が掲げられ、条約が結ばれるほど、全世界的に地球温暖化や気候変動が喫緊の課題とされています。今現在、温暖化がそれほどの脅威となっているのでしょうか。地球温暖化・気候変動が原因で起こった事例を見てみましょう。

●北極海の氷が溶けている
1979年以降、北極海を覆う氷の長期的な減少が続いています。毎年、北海道の面積に匹敵するほどの大量の氷がなくなっていると言われています。氷が解けることで、太陽の光を海面が吸収する割合が増え、それによって暖められた海面がさらに氷を解かすという悪循環に陥っていると考えられています。

●サンゴの白化現象
1980年代から世界各地でサンゴの白化現象が起きています。高温になった海水の影響により、サンゴに共生している藻が失われるために白く見えるのですが、この状態が長く続くとサンゴは死滅してしまいます。1997年から続く世界的な海水温の上昇によって、さらに広範囲のサンゴが失われてしまいました。

●ヨーロッパの記録的な熱波
2003年にはヨーロッパ各地が記録的な熱波に襲われ、7万人ともいわれる死者を出しています。こういった熱波はそれ以降もたびたび、ヨーロッパ各地を襲っています。

●バングラディッシュを襲ったサイクロン
2007年にバングラデシュを襲ったサイクロン・シドル。国土の大半が低地であるバングラデッシュに深刻な被害をもたらし、4,000人を超える死者を出しました。

●日本の豪雨被害
日本でも異常気象が続いています。「平成30年7月豪雨」では、九州地方から東海地方にかけて、台風7号がもたらした大雨による冠水や川の氾濫、土砂崩れなどで、死者200人を超える甚大な被害が発生しました。
 

今後、予測される現象

なお、今後予測される更なる地球温暖化に伴う現象として、下記のものも考えられます。

●海面上昇
暖められた海水が膨張するとともに、南極やグリーンランドなど陸地にある氷が解けることで、海面が数メートル上昇し、サンゴ礁の島々や海に面した低地の国や都市(例えばベネチアのような都市)が水没する恐れがあります。「遠く離れた国に起こること」なのではなく、東京や大阪など日本の大都市も水没の可能性はゼロではありません。

●水の確保
気温の上昇による降水パターンの変化が全世界的に発生。極端な少雨・干ばつや、融雪の早期化による河川の流量減少により、飲料水・農業用水の確保が困難に。逆に極端な集中豪雨の発生頻度が上がることによる、土壌の流出・農業生産力の低下や水質悪化が懸念されています。

●温暖化による植生の変化とそれに伴う食糧生産への打撃
北米・南米やオーストラリアなど、主要な食糧生産地域ではたびたび干ばつによる収量減に見舞われています。これまでの様々な研究によると、平均気温が1度上がるごとに小麦・米・トウモロコシなどの収穫が大幅に減ることが示唆されています。温暖化により収穫量が上がる地域もあるものの、全体としては減少すると考えられていて、将来の食糧危機が懸念されています。

 

地球温暖化のメカニズム

上記に挙げたもの以外にも、様々な現象が起こることも心配されているのですが、それらの影響は決して一過性のものではありません。では、いったい何が原因となっているのでしょうか。それは、人為的な温室効果ガス排出の急激な増加がもたらしたものと考えられています。人為的な温室効果ガスがなぜ、地球を温めて地球温暖化を引き起こしたのか説明いたします。

地球に太陽光が届くことで、地表や海面を温めます。温まった地表・海面により大気が暖められる働きによって、地球の平均気温は約14度、生物が生存できるほどよく温かい惑星になります。そして、温まった地球からは、太陽から受け取ったエネルギーと同じ量のエネルギーを宇宙に放出することで、バランスを保っています。

このようにバランスを保つために宇宙に放出される熱を、再吸収してしまっているのが「温室効果ガス」と言われています。温室効果ガスがなければ、地球の平均気温はマイナス19度まで下がるともいわれているため、温室効果ガスが大気中に一定量の割合で保たれていることが必要なのです。しかし、18世紀の産業革命以来、人類による石炭や石油、天然ガスなどの化石燃料の利用が増え、それに伴い温室効果ガスである二酸化炭素(CO2)が大量に放出されることになりました。特に、20世紀後半に急激にCO2の放出が増え、大気中の濃度が上がりました。その数値は、産業革命の頃の大気中のCO2濃度はおよそ280PPM、現在では370PPMを超えているとも言われています。

増加したCO2(温室効果ガス)の効果により、宇宙に放出される熱が大気中にとどまることで、急激に地球温暖化が進んでいるのです。またCO2(温室効果ガス)の増加だけでなく、CO2を吸収する熱帯雨林をはじめとする森林の伐採・消失が広がっています。
 

地球の平均気温が1度上がると…

では、現在の地球の温度はどれほど高くなっているのでしょうか。国際機関・気候変動に関する政府間パネル が2018年に発表した報告書によると、産業革命以降、地球の平均気温は1度上昇していると言われています。

「たった1度?」と思ってしまう人も多いかもしれませんが、上述した通り、危機的な事例が多数報告されています。年々、大型化する台風や異常な集中豪雨など、すでに異常さを感じている方も多いのではないでしょうか。このままのペースで平均気温の上昇が続くことで21世紀末には現在より4度前後平均気温が上がるという予測もされています。そうなると、人類が存続の危機に立たされてしまう可能性があるのです。若者たちが声を大にして、地球温暖化と気候変動を食い止めようと運動を始めたのは当然の流れであるのです。(その2に続く)

Photo:ecoist

(エコイスト編集部)


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