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【 SDGsカジュアル講座#5 】「地球温暖化」。これからどうなるの?(その2)

その1では、地球温暖化・気候変動による被害とその原因について説明しました。今回は、CO2をはじめとする温室効果ガスの排出状況と日本のエネルギー状況について説明したいと思います。
▶︎前回のコラム:「地球温暖化」。これからどうなるの?(その1)

温室効果ガス排出量
まず、世界の温室効果ガスの排出量についてみていきましょう。温室効果ガスには、CO2・メタン・二酸化二窒素などがあげられます。人類によって排出されている温室効果ガスのうち、約76%がCO2と言われており、CO2の排出を抑えることが最重要となっています。全世界のCO2排出量の80%は化石燃料から発生しているもので、国別では、中国・アメリカが圧倒的に多く、その2国で全世界排出量の40%以上を占めています。また、日本を含む上位15か国で70%以上、排出しています。

しかし、経済的に急成長を続けているインドなどの国々にとって、CO2排出をいきなり止めるということは、経済成長を放棄する、ということに等しいとも言え、非常に難しいことです。これまで、先進国の国々が大量のCO2を排出し、現在の豊かな経済を構築してきたことに対して、これから成長をする国々に一方的に目標を押し付けることの矛盾もあります。このような、全世界が一丸となって進めていくことの難しさをふまえたうえで、日本国内の現状をお話ししたいと思います。

日本の温室効果ガス排出量とエネルギー状況
2019年のデータによると、日本国内で年間に排出されるCO2は、11億3800万トン。そのうちの40.1%がエネルギー転換によるものです。日本の電力は、東日本大震災以降、原子力による発電をストップさせるなどの変更によって、火力発電を主体とするかたちになっています。2020年はじめの電力調査統計によると、日本全体の電源構成は、石炭発電34.5%、LNG発電41.5%、石油発電1.2%となっていて、およそ78%が化石燃料から作られた電力です。一方、自然エネルギーによる発電は、水力発電が8.1%、風力・太陽光・地熱発電などが4.8%となっています。数値を見て分かるように、まだまだ、再生可能エネルギーによる発電の割合が低い状況です。また、ええんルギー以外での排出割合をカテゴリー別にみると、工場等の産業部門が25%、運輸部門が17.8%、家庭が16%となっています。経済の主力となる活動での排出が圧倒的な量となっていることがお分かりいただけると思います。

以上が日本の状況です。若干の差はあるものの、先進国のほとんどは同じ状況であるといえます。すなわち、電力の発電主体は原子力と化石燃料による火力発電であり、大量のCO2が経済活動によって排出されているのです。すなわち、経済活動をストップさせればCO2の排出も大きく減少します。しかし、そんなことをして平和で安定した暮らしが成り立つわけはありません。しかし、今のままの状況を続けていても、何も変化が起こらないどころか、悪くなることだけは明白な事実です。

CO2排出量を減らすには?
では、CO2の排出を少なくしていくにはどうしたら良いのでしょうか。既に、排出の抑制・削減のための取り組みとして行われているのが、再生可能エネルギーによる発電量の増加です。経済を推進していくのに必要不可欠であるのが、電気と水と言われています。電気が無ければ何も出来ないといっても全く過言ではありません。CO2を発生しない発電である、風力・太陽光・地熱といった再生可能エネルギーの電源を増やしていくことは、原子力や火力発電所を作るよりもコストが掛からないのでハードルは低い状況にあります。もちろん、再生可能エネルギーは自然に左右される電源であるため、供給システムや蓄電システムを改良していく必要はあります。しかし、燃料を必要としない、CO2を排出しない、という大きなメリットがわかっている以上、推進しないという考え方はありません。

また、各種経済活動においてですが、製造業では、製造工程は元より、石油由来の原料の見直し、開発も急ピッチで進められています。運輸部門においても、商業部門においても同様に、CO2排出の削減に向けた各種取り組みが行われ始めています。

すなわち、CO2排出の抑制、削減のための取り組みの大きなテーマは、『石油や石炭といった化石資源からの卒業』です。石油や石炭は循環する資源ではありません。循環可能な資源の開発、システムを構築することでCO2排出ゼロに近づきます。脱化石資源は、気候変動のスピードをストップさせることになると考えられています。

SDGsと気候変動問題
SDGsの目標の13番目に、 「気候変動に具体的な対策を」という気候変動問題に対する目標が設定されています。この目標は単体で動いても達成することはありません。CO2排出ゼロに向けては、「目標7 エネルギーをみんなに そしてクリーンに」と「目標9 産業と技術革新の基盤を作ろう」を推進することが重要です。さらには、「目標17 パートナーシップで目標を達成しよう」の目標のように、パートナーシップの構築に不平等があっては成立しません。また、海の豊さ、陸の豊かさを守ろうという目標も当然、関連してきます。このように、「目標13 気候変動に具体的な対策を」を達成するためにも、その他の目標が密接に関連しているのです。

地球温暖化や気候変動問題は、一つの国や企業だけの努力では、解決することは不可能です。平等なパートナーシップで技術を革新し、国や地域、企業の垣根を超えて協力しなければ解決しない問題なのです。

(エコイスト編集部)


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