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バイオマス発電で脱炭素を加速

「2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする。」菅総理大臣が所信表明演説で、こう示しました。地球温暖化の原因となる温室効果ガスの排出をゼロにする「脱炭素社会」の実現に向けて、二酸化炭素の排出量が多い古いタイプの石炭火力発電の段階的な削減や再生可能エネルギーの普及を政府としても取り組む決意を表明したのです。

世界的な脱炭素の流れで、再生可能エネルギーの普及が急がれる中、バイオマス発電大手の株式会社イーレックス(イーレックス)とENEOS株式会社(以下、ENEOS)は、新潟県で世界最大級のバイオマス発電所の共同事業化を検討すると2020年11月に発表しました。発電所は、ENEOSが新潟県聖籠町に所有していたゴルフ場建設予定地を活用し、発電容量は30万キロワットとされています。2023年中に着工し、26年度の稼働を見込んでおり、まずイーレックスが環境アセスメント(*1)など、建設に向けた一連の手続きを進め、ENEOSが建設や運営に関わることを検討していくとのこと。

通常、再生可能エネルギー(太陽光・風力・水力・地熱・バイオマス)で発電した電力は、販売する際の価格“に再生可能エネルギー賦課金”(以下、再エネ賦課金)として、国民の電気料金に上乗せすることで発電事業者が参入しやすくする制度が導入されていますが、このバイオマス発電所は固定価格買取制度(FIT)を使わない、イコール国民の負担がない発電所にするとのこと。固定価格買取制度(FIT)を使わない一方、これまでイーレックスが培ってきたバイオマス発電に係る技術と燃料に係る知見をフルに活用すると述べられています。また、使用するバイオマス燃料は、以前から検討しているロシアからの木質系燃料に加え、ベトナム、フィリピン等で試験栽培をしている、燃料用ソルガム(*2)を主体に検討すると述べられています。

バイオマス発電の原料となる植物は、成長過程の光合成で大気中の二酸化炭素を吸収するため、発電によって発生するCO2と差引ゼロとなることから、カーボンニュートラルな発電とされています。発電量が安定しているため、水力や太陽光に次ぐ再生可能エネルギーの中核とみなされている発電方法です。2020年10月より、国の中長期的なエネルギー政策の方針、「エネルギー基本計画」の3年に1度の見直しに向けた議論が始まっており、脱炭素の流れが加速する中、再生可能エネルギーや原子力発電をどう位置づけるかが焦点となっています。

*1環境アセスメント:土地の形状の変更、工作物の新設等の事業を行う事業者が、その事業の実施にあたり、あらかじめその事業の環境への影響を調査・予測・評価し、その結果に基づき、環境の保全に配慮した事業を行なおうとするもの。環境影響評価とも言う。

*2燃料用ソルガム:含水率の低さ、成長の速さで知られるイネ科の植物。イーレックスは燃料向けの品種改良に取り組んでいる。

(エコイスト編集部)


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