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着実に、そして、確実にGo RE100 !

 すべての事業を再生可能エネルギーで賄うことを宣言した企業による国際ネットワークRE100が、2019年の報告書をまとめました。日本でRE100を宣言している企業は28社。リコーや積水ハウス、アスクルなどよく知られた大企業が、脱炭素社会に向けてそれぞれの目標を宣言しています。報告書では、世界中の宣言企業の動向や実績、活動事例を紹介しています。

 報告書によると、世界全体でのRE100宣言企業数は211社。新たに加わった企業の数は最多を記録し、2019年は56社増えました。その半数近くがアジア太平洋地域の企業で、欧米を除いた国の企業の割合が増えました。イギリスから始まったRE100ですが、年を重ねるごとに多様性は増してきているようです。

 100%再エネでの事業運営を目標とする時期は、企業によって異なりますが、平均して2028年。4社に3社は2030年を目標としています。現状は30社以上が100%を既に達成。3社に1社が75%以上まで再エネ化を実現しています。

 報告書では、宣言企業のリーダーシップに注目しています。44%の企業が原材料の供給元など、関連する会社にも再エネの利用を促しており、企業などが発電事業者と直接購入契約を結ぶPPA(Power Purchase Agreement)と呼ばれる方法が今後さらに伸びると予想しています。バドワイザーで有名な世界最大の醸造会社アンハイザー・ブッシュ・インベブ社は、PPAを通して発電を行い、既存のエネルギーを使うのではなく新たに作り出すことで再エネの総量を増やそうとしています。

 バドワイザーの活動事例として、RE100の宣言を通して、持続可能社会を目指す世の中の流れに勢いをつけようとする同社の広告戦略も紹介されています。全米最大のスポーツイベント「スーパーボウル」は、1億人近くの視聴者が試合中継を観戦するといわれます。同社はそのCMで、ビールの醸造に使う電力をすべて再エネで賄うと宣言したのです。BGMにボブ・ディランの名曲「風に吹かれて」を使い、風力発電施設の映像を流しました。消費者からは、高品質で革新的であるというフィードバックを受けたそうです。同社は2025年までに世界各地にあるビール醸造工場を100%再エネにする計画とのこと。

 世の中の流れという点で言えば、フォトショップなどで知られるコンピューターソフトウェア会社のアドビシステムズ社も、再エネを使うことが優秀な社員を集めることにつながると発表しています。同社は新たなビルを2019年6月に着工。その計画段階で、サステナビリティ戦略を担当する社員が、従業員の間で持続可能性への関心が広まっていることを認識したといいます。それから化石燃料を使わないビルを設計し、2022年に完成するビルは完全な電気式になるそうで、2035年までに100%再エネに切り替えるという目標を設定しています。

  この報告書は、企業への調査を基にした目標達成が困難な国のランキングも掲載しています。1位は中国で、4位に日本が入っています。国によって理由は異なりますが、日本での再エネ普及の壁は、発電コストが他の電源方式よりも割高であることが挙げられます。宣言企業でつくるRE100メンバー会が2019年6月に政府に出した提言書によると、価格競争力のある再エネを実現するためには、送配電網の整備やコスト低減効果が期待できる風力発電の導入が必要だといいます。提言書では、2030年の日本の電源構成における再生可能電力の目標比率を、22ー24%から50%に引き上げるよう要請していました。

 ところで、国の年間電力使用量を知っていますか? RE100の報告書によると、2018年の1位は中国で6349テラワット。2位はアメリカの4099テラワット。日本は4位で1028テラワットです。2018年のRE100宣言企業の合計電力使用量は228テラワットで、これはインドネシアや南アフリカ共和国の電力使用量に相当するといいます。こうして並べて見てみますと、現時点での再エネの割合の低さを感じてしまうかもしれませんが、数字にしてみることで、理想の状態に向かって少しずつ前進していることがわかります。

Source:http://there100.org/reports-briefings
Photo:ecoist

(エコイスト編集部)

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