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トイレの水をスプレーで節約!?

トイレにまつわる水問題は万国共通です。水不足に悩むアフリカや中東の国々ではトイレに使う水が足りていません。かたや先進国では水道料金を抑えるためにも、できる限り水は使いたくないものです。ズバリ、トイレに使う水は少ない方がいいのです。

そうはいっても、きちんと汚れが落ちないと困ってしまいます。従来よりも少量の水で、用を足した後の汚れを落とすことはできないか。そんな考えを実現する特殊な技術をアメリカ・ペンシルバニア州立大学の技術者たちが開発しました。機械工学を専攻するチームは、スプレーによるコーティング技術に着目。強力な撥水作用を持つ膜をトイレに作りだすことに成功しました。

チームが開発したのは、二種類のスプレーを塗り重ねて、粘着物を弾くコーティングを作り出す技術。一本目のスプレーで「ナノヘア」と呼ばれる超極細の毛のような下地を作ります。二本目のスプレーはシリコンオイルでできており、振り掛けるとおよそ5分ほどでナノヘアと結合、コーティングが出来上がるといいます。

テストでは、排泄物を模した粘着物をプレートに落下させて効果を測定。プレートに付着した粘着物の蛍光塗料を取り除くのに、どれだけ水が必要かを調べました。結果は、コーティングを施していないプレートと比べて、90%少ない水でプレートを洗浄できたということです。チームはスタートアップ企業、スポットレスマテリアルズ社を立ち上げスプレーを商品化。既にウェブサイトで15ドルから20ドルで販売を始めています。

同社のウェブサイトでは、創業ストーリーと並んで、11月19日の「世界トイレの日」の紹介に力を入れています。世界トイレの日は、世界トイレ機関(WTO: World Toilet Organization)の第一回サミット開催日。世界中の衛生問題に注目を集める国際的な日を作ろうとの考えから2001年に誕生し、2013年には国連総会で正式に制定されています。

すべての人が安全な水とトイレを利用できる状況は、持続可能な開発目標(SDGs)でも掲げられています。同社ウェブサイトでは私たちができることの一つとして、トイレの水の使用量を減らす方法が具体的に紹介されています。方法は簡単。ペットボトルに砂や岩を入れ、水で満たします。ボトルにキャップをして、トイレのタンクに入れます。これだけで流す水の量が減り、家庭の廃水が少なくなります。

ウォン氏はガーディアンの取材に、毎日1,410億リットル以上の淡水がトイレの洗浄に使用されていると指摘。この量はアフリカの1日の水の消費量のほぼ6倍とのことです。「世界中の何百万人もの人々が深刻な水不足に直面する中、トイレの洗浄に使用する水の量を減らすことで問題を軽減できると期待しています」と言います。

Source:https://news.psu.edu/story/598131/2019/11/18/
Photo:ecoist

(エコイスト編集部)

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