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ムーンショットであっても、適切な計画と目標を伴う計画で達成させる

マイクロソフトは2012年から「カーボンニュートラル」を目標に掲げ、既に排出した CO2 の除去ではなく、主に排出を避けるためのオフセットに投資することで、カーボンニュートラルを目指してきました。しかし、マイクロソフトは気候変動問題のリスクを回避するにはカーボンニュートラルだけでは不十分だと判断し、2030年までに同社が毎年排出するCO2より多くのCO2を除去する「カーボンネガティブ」を実現させるという、野心的な目標を設定しました。そして、さらに2050年までには、1975 年の創立以来、直接的および間接的に排出してきたすべての CO2 を除去するとも発表しました。

この野心的な目標を達成するために綿密な計画も練られており、カーボンネガティブは大きく3段階で構成されています。第1段階では、2020 年代の半ばまでに活動により直接的に生じるCO2排出と、使用する電力や暖房によって間接的に生じるCO2排出をほぼゼロまでに削減すると定めています。第一要素を達成するため、電力購買契約(PPA)を結び、データセンターやビルなどで使用する電力を100%再生可能エネルギーにしたり、世界のキャンパスにおける車両を電気自動車化したりするステップを設けています。

第2段階では、2030年までに関連する他の全ての活動から間接的に生じるCO2排出(例えば企業ならば、サプライチェーン全体、ビルの材料、従業員の出張、商品のライフサイクル全体、消費者が商品を使用する際の電力消費などによるCO2排出を指す)を半減させるとしています。第2段階をクリアするため、既に社内の全事業部に対し導入している排出量1トン当たり15ドルの「カーボン税」を、2020年7月から製造や出張、同社の製品で顧客が使う電力といった間接的な排出も対象にしていくとのこと。各部門から支払われたカーボン税は、サステナビリティ改善のための資金として使用されるそうです。

そして第3段階目では、2030 年までにカーボンネガティブの達成 と創立以来のCO2を除去すると定めています。CO2を除去する目標は、ネガティブエミッション技術(※1)と呼ばれるCO2を回収・除去していく技術のポートフォリオにより実現していく見通しを立てています。

発表の最後に「世界はCO2削減の道を歩まなければならない。そして、マイクロソフトはお客様や従業員がその道を進むように求めていることを理解している。これはマイクロソフトにとって大胆な賭け、すなわちムーンショットだ。」と、いかに、この目標が容易ではないこともコメントしています。しかし、続けて「2030 年までにカーボンネガティブになることは決して容易なことではありませんが、それは適切な目標であると考えています。そして、適切なコミットメントさえあれば達成可能な目標でもあります。学習と適合を継続していかなければなりません。個別の努力も必要ですが、より重要なのは世界中が協力していくことです。本日、適切な計画と目標を伴う計画を発表できたと考えていますが、解決すべき課題は多く、新たに開発すべきテクノロジもあります。今が行動を開始する時です。」と締め括っています。

そうです。持続可能社会に向けて、世界中が協力して動き出すべき時であるのです。

※1 ネガティブエミッション技術(Negative Emissions Technologies: NET)
過去に排出され大気中に蓄積し、温室効果の最大要因物質とみなされる二酸化炭素(CO2)を回収・除去する技術のこと。具体的には、バイオエネルギー利用によるCO2の回収貯留(BECCS)や直接空気回収(DAC)、海洋吸収の促進、農耕方法の転換などが挙げられる。

Source: https://news.microsoft.com/ja-jp/2020/01/21/200121-microsoft-will-be-carbon-negative-by-2030/
Photo: Brian Smale

(エコイスト編集部)

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