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インテルの水源保全プロジェクト

精密機器の工場は水がきれいな場所にある。そんなイメージがあるかもしれませんが、理由をご存知でしょうか。きれいな水は不純物が少なく、溶けている固体が少ない水。つまり、ものを溶かす余地がたくさん残っているために洗浄力が高いのです。微細な部品についた目に見えないほどのゴミを落とすには、こうしたきれいな水が必要なのです。

あらゆる工業製品に必須の部品である半導体のメーカー米国のインテルは、そんなきれいな水を必要とする企業の一つです。同社は4月22日のアースデーに合わせ、支援している水源保全プロジェクトの成果を発表しました。報告によりますと、過去2年間で約10億ガロンの水が米国各地の水源地で保全されたとのこと。これは米国の家庭9,000世帯が1年間に使う量に相当するということです。

同社は2017年、工場で使う水は100%自然に還元することを宣言。使用した水の80%は工場内での処理を経て水源となる流域に戻されており、残りの20%を補うために、河川や森林などの水源再生プロジェクトに資金を提供しています。アリゾナ州では、畑に水を送る農業用のパイプラインを設置したり、山火事の原因ともなる外来種の植物を在来種に置き換えたりといったプロジェクトを支援。オレゴン州では、渡り鳥や水生生物が生息する湖の堤防やポンプといったハード面の建設支援などを行っています。この他、カリフォルニア州やニューメキシコ州、インドのバンガロールでも、木々の植林など同様のプロジェクトをサポートし、水源を保全しているそうです。

ただ、ひと口に水源の保全といっても、水が豊富な国の都市部で生活している方は、企業による保全活動と聞いても、いまひとつピンとこないかもしれません。蛇口をひねれば生活に必要な水は止まることなく出てくるでしょう。しかしグローバルにみてみますと、地球に存在する水の97.5%は海水で、淡水は2.5%。その淡水の多くは南極や北極の氷河や氷で、人間が生活に使いやすい形で存在している河川や湖の水は地球全体の0.01%ほどと言われています。私たちが日常的に使っている淡水は、決して潤沢にあるわけではないのです。

これに加えて、熱帯雨林のある南米には水が豊富に存在する一方で、乾燥地帯の中東やアフリカでは人口に対して供給できる水の量が少ないという、偏りの問題があります。こうした水の偏りは、当然一つの国の中にも存在し、山間部や平野部など地域の環境によって人間が使用できる水の量は異なります。企業が生産拠点として、ある地域に工場をつくれば、必ずその地域の水を消費することになります。そしてその地域には、ほぼ確実に人や野生生物が生態系を作っています。企業はそうした生態系に配慮をして水を使わなければ、地域に迷惑をかけるのは当然のこと、結果的に自分たちの首をも絞めることになります。水を大量に使う企業は地域の水源を保全する必要があるのです。

今回の発表に際して、インテルは他の企業にも水源保全への資金提供を呼びかけていくと述べています。その土地の環境に責任を持つ企業が少しずつ増えていくことを期待するばかりです。

Source:https://newsroom.intel.com/editorials/
Photo:ecoist

(エコイスト編集部)

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