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持続可能社会とホテルの関係

新型コロナウイルスの流行により、仕事(ワーク)と休暇(バケーション)を組み合わせた「ワーケーション」やホテルとリモートワークを組み合わせた「ホテルワーク」など、新しい生活様式にホテルを活用する案が注目されています。注目はされていますが、依然、ホテル業界は苦戦を強いられている状況ではあります。しかし、福岡・博多にある「ホテルグレートモーニング博多」は、このような状況でも『ホテルは、全てのアクションを価値に転換して提供できる場所にできる、という可能性を感じている。』と、前向きに次世代のホテルに向けた運営を行っています。

FUTAEDA株式会社が運営する「ホテルグレートモーニング博多」の次世代のホテルに向けた取り組みのポイントは、大きく分けて3点。まず、2020年8月よりホテルで使用する全ての電気を自然エネルギー由来の電気に切り替えたこと。この切り替えにより、年間約2900本分(※1)の杉の木に相当するCO2が削減できる見込みだそうです。また、電気代の約0.5%は自然エネルギー発電所を増やす基金として積み立てられる仕組みになっています。ホテルが自然エネルギーを使用し、気候変動問題の問題解決に貢献することで、いっときの滞在場所という存在から、“ホテルのある地の環境や社会に貢献するためにそのホテルに滞在する”という新しい宿泊スタイルを提供しているといえます。

そして、ホテルで廃棄予定の生ゴミを堆肥にする“#捨てないステイ”プロジェクト。これも次世代の都市循環型のホテルに向けた重要な取り組みです。本プロジェクトでは、廃棄される生ゴミを回収し、ホテルの屋上に設置されたコンポストで堆肥化が行われます。その後、完成した堆肥でミントやハーブなどを栽培し、ウェルカムドリンクや朝食などで提供することで、100%循環型サービスの実現を目指しているそうです。このプロジェクトが生まれた背景には、飲食に特化したレストランとは異なり、ゲストのニーズに100%合った料理を提供することが難しいこと、化学調味料や保存料を添加している食材はゲストに受け入れられないが新鮮で無添加の食材は保存が難しい、といったホテル業界が世界共通として抱えるフードロス事情がありました。しかし、ホテルグレートモーニング博多は、この課題をチャンスと捉え、付加価値をつけて循環できる取り組みをスタートすることがホテルの責任であり、“#捨てないステイ”プロジェクトは、今後日本が率先して世界に発信できる取り組みとしてスタートさせたのだそうです。

さらに、ホテルの客室やアメニティにも環境に配慮したこだわりがあります。客室に採用されているオーガニックタオルのIKEUCHI ORGANICと寝具を共同開発しているIWATA社は、再生可能エネルギーを利用している事業者であり、サプライチェーンにも気候変動問題と取り組む企業とパートナーシップを組んでいるのです。また、タオルの洗濯には、「海と優しいプラス」という植物由来の石鹸をベースに、界面活性剤を0.5%まで抑えた洗剤が使われています。

ホテルグレートモーニング博多の担当者は、ホテル運営や商品を通じて、気候変動問題解決に取り組んでいますが、現状には満足していないといいます。窓ガラスが大きく、エネルギーロスが大きい建築や、食品ロスを顧みない運営などがまだまだ存在しているホテル業界ですが、真摯に気候変動問題と向き合うホテルグレートモーニング博多のようなホテルが増えて欲しいと願います。新型コロナウイルスと共存しながら、旅行を楽しむ時は、ホテル選びの選択肢の一つに、その地の環境を考えたホテルを挙げてみませんか。

※1
2019年の年間消費電力を基に算出

Photo:FUTAEDA株式会社


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