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持続可能な食文化を考える国際フォーラム

 9月13日にユネスコの「文化と食料に関するユネスコ国際フォーラム」が、イタリアのパルマ市で開催されました。このフォーラムは、持続可能な開発目標(SDGs)の推進するために、文化・食料・教育に焦点を当てたものです。ユネスコのアーネスト・オットーネ・ラミレス文化担当事務次長は「食文化への投資はSDGsの課題解決に有効であり、食に関連する伝統や慣習は、集団的アイデンティティと環境の持続可能性の重要な指標です」と開会の挨拶で述べました。

 フォーラムでは、技術の進歩や石油の大量消費、都市への移住と都市化の進展によって、過去1世紀にわたって食料システムがどのように変化してきたかを分析。システムの変化によって、世界のCO2排出量の大部分を食糧生産が占めるようになったこと、世界中で作られる食糧の3分の1、実に13億トンが無駄に捨てられるようになったこと、農地の拡大が森林減少の最大の要因となったことなど、様々な問題が生じるようになりました。これらの問題は生態系の多様性を脅やし、気候変動の原因にもなっています。特に、現在充分な量の安全で栄養のある食料を定期的に入手することができない20億人以上の人々にとっては、食料確保の新たなリスクになってきています。

 これらの解決に繋がると期待されているのが、地域の伝統・慣習に根ざした料理であります。なぜなら、伝統的な料理はその土地に合った食材や調理法で作られるため、環境の負担を抑制できると考えられるからです。登壇者の一人で、フードロスの問題を解決するための非営利団体 「Food for Soul」 の創設者であるマッシモ・ボトゥラ氏は、環境に配慮した消費選択や健康的な食事の支援、食品廃棄を抑えることは、料理人にも社会的責任があるとし、「料理は、行動を起こすきっかけになります」と呼びかけました。フォーラムは最後に、「文化的アイデンティティや、長い時間をかけて受け継いできた生態系の多様性を守りながら、食料の生産と消費のバランスを見直し、健康的な食事の拡大を支援するために、文化と食料との繋がりを強化する」というパルマ宣言を採択し、閉幕しました。

(エコイスト編集部)

2019.10.07