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汚れた空気は“壁”に食べてもらう⁉

 メキシコの首都、メキシコシティにあるトッレ・デ・エスペシャリーダデス病院は、とても変わった外壁を採用しています。この風変わりなデザインは、患者や来院者のストレスを和らげるためなのでしょうか? それとも、街の景観向上のため? 実は、温室効果ガスの削減を目的としているのだそうです。

 この外壁は「prosolve370e」と名付けられた、ビルの外壁などに取り付けるモジュールで、ドイツのエレガント・エンベリッシュメンツ社が開発しました。大気中の日光で活性化され、空気を綺麗にする触媒として知られている「TiO2(二酸化チタン)」が、表面にコーティングされています。

 モジュールが太陽光に触れると、コーティングされたTiO2が空気中のNOx(窒素酸化物)やVOC(揮発性有機化合物)などの汚染物質を分解します。特にNOxは自動車の排気ガスに含まれる有害な物質で、呼吸器系の疾患などの原因となるだけでなく、光化学スモックや酸性雨を引き起こすため、排出ガス規制など、世界的に削減に向けた動きが目立っています。NOxを分解する方法は限られているため、モジュールはNOxを容易に分解できる手法としても大いに期待されています。

 また、モジュールは表面積を最大化し、全方位で光を捉えることを計算してデザインされたため、複雑な形状になりました。最初から後付け用して設計されており、専門的な設計などしなくても、複数枚のモジュールを外壁に取り付けるだけで導入できるという手軽さも製品としては重要なポイントです。

 メキシコシティのような大都市では車の交通量も多く、排出ガスの抑制は昔から課題とされてきました。エレガント・エンベリッシュメンツ社によると、この病院の外壁モジュールは、1日1,000台の車の排出ガスを分解しているそうです。このモジュールは駐車場や公共施設など、場所を選ばず設置できるため、今後の採用拡大が期待されています。

Sauce:http://www.prosolve370e.com/
Photo:elegant embellishments

(エコイスト編集部)

2019.10.25