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「Know One, Teach One」の理念で貧困からの脱却を手助け

 ベトナムのハノイは、2019年上半期だけで750万人近いツーリストが訪れるなど、今や東南アジア有数の観光地。そのハノイの観光産業では近年、一般的なサービスから一歩踏み込んで、ツーリストに喜びを与えることを重視する「ホスピタリティ」の概念が重要視されるようになりました。そういった状況を背景に、様々な企業がおもてなし、ホスピタリティに精通した人材の採用に力を入れ始めています。

 そんなハノイで注目されているのが、「KOTO」と呼ばれるホスピタリティのトレーニングセンターです。これは、貧困層の16歳~22歳の若者を対象に2年間ホスピタリティに関する職業訓練を行い、レストランやホテル、カフェなどで働けるように支援しています。KOTOとは「Know One, Teach One」の略で、「学問は伝承されるべきであり、知識は共有されるべきもの」という理念を表現しています。

 このKOTOを設立したのは、ベトナム系オーストラリア人のジミー・ファムさん。学生時代に観光や旅行について興味を持ち、大学でホスピタリティについて学びました。オーストラリアの大学を卒業後、ファムさんはベトナムのサイゴンへと旅行をし、そこで“ストリートキッズ”に出会います。ファムさんが彼らに対して、「人生で何を望むか」と尋ねてみると、子どもたちは異口同音に「安定した仕事を見つけるにはスキルが必要だ」と答えました。その時のことがきっかけとなり、ファムさんはベトナムに渡り、変化を起こすための方法を模索。そして、20年前にホスピタリティトレーニングセンターであるKOTOをハノイで立ち上げました。

 KOTOでは、危機に瀕した青少年に学習の機会と人生で成長する機会を提供しています。そして、KOTOが目指すのは、若者に力を与え、彼ら自身や彼らの家族が彼らのコミュニティのより良い未来を築く手助けをすることにより、貧困のサイクルを終わらせることです。現在、KOTOは社会的企業として、ハノイとサイゴンにあるトレーニングセンターで700人以上の若者に教育の機会を与えています。また、KOTOでは資金調達を行う財団部門以外に、レストラン事業も運営しており、実際のホスピタリティトレーニングのプラットフォームとして機能し、学生のトレーニングと福祉を支援するための収入源となっています。

 CNNの取材で、ジミー氏は「KOTOの哲学は、知っているなら教えるべきだということです。私たちは訓練生に何かを獲得する方法を教え、その訓練生が将来成功したら、他の人にも何かを獲得する方法を教えられるようなればと思っています」と語っています。そして、「お返しをするということは、誰かに食事やお金をあげるということではありません。お返しをするということは、その人が一生涯、生活していけるような技術を教えるということです」と続けています。まさに、これこそがサステナビリティな考え方ではないでしょうか。

Source:https://www.koto.com.au/about-koto
Photo:KOTO

(エコイスト編集部)

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