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プラスチックごみが仮想通貨に!?

 私たち人類は、今日までに本当に多くのプラスチックを製造してきました。その総数は、何と83億トンにも上るそうです。そのうち、どれくらいのプラスチックが、使用後にリサイクルされているか、ご存知ですか?…たったの9%です。残りのプラスチックごみはリサイクルされず、ごみとして世界中に放置されています。

 放置されたプラスチックごみのほとんどが、最終的に海へと辿り着きます。年間で1,200万トンのプラスチックごみが海へ流入していると言われており、プラスチックごみは海の生態系に深刻な悪影響を与えています。

 そんなプラスチックによる海洋汚染を解決するだけでなく、貧困層の救済も同時に行うという画期的な取り組みが、カナダでスタートしました。「プラスチックバンク」と名付けられたこの取り組みでは、使用済みのプラスチックを回収してリサイクルし、製造業者や小売業者に販売するビジネスモデルを構築することで、海洋プラスチックを減らしていこう、というものです。

 プラスチックバンクの最大の特徴は、回収した対価が仮想通貨だということ。この仮想通貨は食料や水、日用品などを購入可能で、回収員はごみを回収することで、生活の糧とすることができます。この取り組みは、海洋汚染と貧困という2つの課題を、同時に解決できるというわけです。

 ちなみに、商品の購入は専用のアプリを使用して行うそうです。他の仮想通貨と同じように、取引の記録を分散して管理し、データ改ざんを防ぐ「ブロックチェーン技術」を活用することで、取引の信頼性を高めています。これらのシステムの構築は米国のIBM社が行いました。

 プラスチックバンクは2013年に創業し、2015年にハイチでプラスチックごみの回収を始めました。その後、フィリピンやインドネシア、ブラジルに進出。これらの国々では米国のSCジョンソン社やドイツのヘンケル社などの支援のもと、回収員がプラスチックを売買できる店を増やしています。このプロジェクトでは、既に630万キログラムの海洋プラスチックを回収してきました。現在、世界中で4,300人が回収員として活動に参加しています。

 プラスチックバンクは非常に革新的な取り組みですが、プラスチックバンクのCEOを務めるデイヴィッド氏はCNNの取材に対して、「プラスチックごみから経済的価値がなくなったとき、この活動は終わりを迎える」とコメントしました。このプロジェクトが終了する時には、持続可能社会が次のステージを迎えていることでしょう。

Source: Plastic Bank
Photo:エコイスト

(エコイスト編集部)

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