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地球環境の危機を回避するため“カーボン・ポジティブ”を目指すパタゴニア

 刻一刻と悪化する地球温暖化。「“土地、エネルギー、産業、建物、運輸および都市における、急速かつ広範囲に及ぶ移行”に着手しなければならない」と、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)は2018年10月の報告書で述べました。もはや「二酸化炭素を減らして地球を守ろう」などと悠長なことを言っている場合ではありません。この危機的な状況を回避するためには、排出量よりも多くの量の二酸化炭素を吸収する、「カーボン・ポジティブ」の実現に向けた取り組みを加速させなければいけません。

 アメリカのアパレルブランドのパタゴニアは、2025年までにカーボン・ポジティブの実現を目指しています。2025年までに全製品をリサイクルした原料や再生可能な原料で製造するほか、2020年には全拠点で使用するエネルギーを再生可能エネルギーに切り替えることを宣言しました。

 パタゴニアでは2017年に、原材料の採取から製品の製造、製品配送など、製品を顧客に届けるまでのすべての工程で、どれくらいの二酸化炭素が排出されるかを、第三者機関によって検証。その結果、二酸化炭素は原料を育てて製品として出荷するまでに全体の97%が排出され、そのうちの86%は原料の生産過程が占めていることが分かりました。

 この結果を受け、同社では可能な限りリサイクル素材を取り入れることを決定。例えば、ポリエステルを石油からではなく、使用済みペットボトルから作ると、二酸化炭素排出量を17%削減するだけでなく、ペットボトルを埋立地に送ることもなくなります。2019年秋時点では、パタゴニアの製品全体の69%がリサイクルされた原料を使用した商品で、同社では2025年までに、これを100%にするそうです。

 また、パタゴニアでは2020年末までに、同社が世界各地で所有・運営する場所で使用する電力の100%を、再生可能エネルギーに切り替えます。アメリカではすべてのオフィスや工場、小売店で再生可能エネルギーだけを使用することを決定。日本支社では再生可能エネルギー発電所由来の電気への切り替えや、使用量に相当するクリーンなエネルギーをパートナーシップによって発電することで、再生可能エネルギーに切り替えるとしています。

 さらに、今後は企業として環境再生型有機農業を推進するそうです。環境再生型有機農業は有機農業を発展させたもので、農地を生態系として取り扱い、なるべく“自然”な状態を保つことで、より多くの二酸化炭素を土壌に吸収しようという農法です。パタゴニアでは、綿や食品などをこの農法で育て始めています。

 パタゴニアの掲げる目標は、「私たちは、故郷である地球を救うためにビジネスを営む」 というもの。このまま温暖化が悪化すれば、“2050年に人類が滅亡する”可能性さえあります。パタゴニアのような一企業だけでなく、消費者である私たち個人も、この意識を持った行動をとるべき時なのであります。

Source: https://www.patagonia.jp/our-business.html
https://www.patagonia.jp/climate-crisis.html
https://www.patagonia.jp/blog/2018/05/
Photo:パタゴニア

(エコイスト編集部)

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