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お口にも環境にも優しい、竹の歯ブラシ

 毎日使う歯ブラシですが、その歴史や、捨てられた後のことまで考えながら歯を磨く人はいないでしょう。しかし、歯ブラシは化学繊維の発展で普及し、そして今、リサイクルできない“海の厄介者”となっているのです。

歯ブラシの歴史は15世紀末の中国にまで遡ります。当時の歯ブラシは豚の毛でできたブラシと、骨の持ち手で作られており、庶民には手が出せない高級品でした。とある文献によると、歯ブラシの登場から400年以上経った1920年代でも、米国人の4人に1人しか歯ブラシを購入できなかったのだそうです。

 そんな歯ブラシが普及するきっかけとなったのが、1938年に化学繊維(ナイロン)が開発されたことです。安価で丈夫なナイロンはブラシの素材にうってつけで、それまで高級品だった歯ブラシは庶民にも手を出しやすい価格になり、歯ブラシと食後の歯磨きの習慣は、一気に普及していきました。

 ところが近年、歯ブラシの普及に一役買ったプラスチック素材を見直す動きが出始めています。歯ブラシは使い捨てであることや、異なるプラスチックを組み合わせていることでリサイクルが難しく、近年問題になっている「海洋プラスチック」の原因にもなっているからです。

 そんな歯ブラシを100%サステナブルな素材で実現しようという取り組みを、米国のコルゲート・パーモリーブ社が始めました。素材として選ばれたのは竹です。竹は生分解性の素材であるため、コンポストなどで堆肥化することも可能です。また、農薬や肥料を使用しなくても驚異的な速さで繁殖・成長するため、大量生産にも適した、持続可能な材料であるともいえます。

 また、毛には備長炭を注入した豚毛を採用。カビ対策として、天然の蜜蝋で防水処理しているほか、パッケージにはリサイクル可能なボール紙を採用。プラスチックの使用を極限まで抑制しています。肝心の磨き心地ですが、化学繊維のブラシと比べてやや硬さはあるものの、普段使いとして問題は全くないそうです。

 「コルゲート」といえば、欧米では歯磨き粉の代表的なブランドです。コルゲート・パーモリーブ社では実に多くの歯ブラシを発売していますが、そのほとんどが石油由来の材料を使用したものです。使い心地や製造のしやすさなどで、まだまだ脱プラスチック化には課題の多い歯ブラシですが、それでも大企業が率先して脱プラスチック化の動きを見せたことは、大きな一歩であるといえます。日常使うものの中に持続可能な商品を少しでも生活に取り入れて、個人レベルでも環境負荷を減らしていきたいものですね。

Source: https://www.colgate.com
Photo:コルゲート・パーモリーブ社

(エコイスト編集部)

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