持続可能社会をみんなで

menu
English/Japanese
ecoistecoist

大気汚染が親子を引き離す

モンゴル・ウランバートルはインド・ニューデリー、中国・北京などと並んで、実は大気汚染が深刻な都市なのです。専門家が発育不全・慢性疾患、最悪の場合死に至ると勧告しているにも関わらず、世界保健機関から勧告されている大気汚染の質に関する基準値を常に上回っている状況です。

そんなウランバートルに住む母親は、娘のアミナちゃんは生まれてからずっと病気と闘っており、免疫系に障害が生じていると話しています。都市部で暮らすには状況があまりに悪いため、アミナちゃんはウランバートルから135キロ離れた村で祖父母と暮らすことになりました。母親は毎週往復3時間かけて会いに行っているそうです。アミナちゃんのように親と子どもが離れて暮らすことは、大気汚染から子どもを守る唯一の手段だと多くのウランバートルに住む親たちは考えています。

モンゴルの伝統的なテント「ゲル」が立ち並ぶ地区では石炭やその他燃えるものなら何でも燃やして暖を取っています。その結果、濃い黒煙が立ち上り周囲はスモッグに覆われ、数メートル先でさえも見えにくい状態となっています。その大気汚染の影響か、病院は満員で、子供たちは普通の風邪でも命にかかわる病気に悪化する恐れすらあるのです。

スモッグが恒常的に発生していることで、富裕地区に住む人々が大気汚染はゲルに住む住人の責任としてゲルの撤去を求めています。しかし、ゲルの住民らは石炭しか買う余裕がないと訴えており、両者は緊張関係となっています。この問題に対処するために地方自治体は2017年に国内での移動に制限を設けたり、石炭を燃やすことを禁止したりしましたが、この対策が変化をもたらすかは不明と言えます。

現在、ウランバートルに住んでいる人への健康被害はもちろんですが、これから子どもを産みたいと考えている人にも深刻な事態であることは間違いありません。決定打となる対策はない状況ですが、再生可能エネルギーの導入を検討するなど、一刻も早い改善が望まれます。

(エコイスト編集部)

2019.04.25