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エシカルに調達された部品で作られるスマートフォン

 スマホの画面割れ。体験したことがある人もそうでない人も、自分で直せたらいいのに…と考えた事がある人は少なくないはず。これを可能にしたのがオランダのスタートアップ企業Fairphoneです。この会社は、少数のユーザーだけが必要とするような高機能性ではなく、持続可能性と倫理的に調達された素材で作ったスマートフォンを販売しています。

 Fairphoneの商品は部品の数を極力減らしたモジュラー設計。これにより、専門的な知識のない一般のユーザーでも、簡単に修理ができるといいます。精密機器ではなくプラモデルを扱うように、画面が割れたら、画面を取り替えればいいのです。もちろん画面だけでなく、バッテリーやヘッドフォンジャックなど、公式HPからパーツを購入すれば数分で直すことができるといいます。

 2020年にはヨーロッパだけで1200万トンの電子機器廃棄物が発生すると考えられています。業界の平均ではスマートフォンの使用期間は2年間ですが、修理や部品の交換ができることによって潜在的な寿命を延ばし、廃棄物の量を抑えることに繋がると期待されています。長く同じ端末を使うことは、別のメリットもあります。使用期間が長くなれば、当然製品を作るのに必要な貴金属やレアアースの廃棄量も減ることになります。レアアースは精錬やリサイクルの際に有害な廃棄物が発生するなど処理に関して問題が残っているのです。

 Fairphoneは社会と環境の持続可能性を進めることを目指しています。廃棄物の量を減らすこと以外にも、希少な鉱物の生産地を明らかにすることや、発展途上国における労働者の人権や福利厚生を守ることもミッションとして掲げます。例えば、コンゴ民主共和国の錫やタンタル。これらの鉱物は、資金源として反政府組織などが利用し、民間人を殺害するなど同国内では紛争の種にもなっています。そうした紛争とはつながりのない鉱物を使うことで、社会全体の持続可能性を進めようとしています。

 Fairphone代表のロラ・ハスペルズさんは、「100%公平ということはなく、きっとできないだろう」と打ち明けます。それでもFairphoneは良心的な製品の設計や資源調達、工場の慣行を調査することで、より公平なスマートフォンを作ることは可能であることを示しています。

 デジタル技術が途上国に与える影響を研究するドイツのリンダ・クレマンさんはFairphone2のユーザーです。彼女は「修理可能で長持ちすることを私は高く評価します」と語っています。リンダさんによると、彼女の身近な人に関していえば、フェアフォンはドイツで受け入れられているとのこと。リンダさんは「フェアフォンのような社会的企業が現れる前は、スマートフォン業界は持続可能性を彼らの目標と関連があるとは考えていなかった」と話します。機能は普通だけど倫理的なスマートフォン。これまでの社会に一石を投じる革新的なアイデアといっても過言ではないでしょう。

Source1: https://shop.fairphone.com/en/
Source2: https://150sec.com/fairphone-the-sustainable
Photo:Fairphone

(エコイスト編集部)

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