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環境にやさしいリゾート

 環境にやさしいリゾート、といわれても何か違和感を覚えてしまいますよね。それは、リゾートという言葉からイメージするものが青い空や青い海、すなわち、自然とつながっているもので、改めて環境にやさしいと言葉で形容されても・・・ということかと思います。でも、今、あえて「環境にやさしい」南の島のリゾートが注目を集めているのです。

 アジアやアフリカなどのリゾートの歴史は、19世紀の帝国主義の時代にまで遡るといわれています。そもそもはヨーロッパの宗主国が植民地に軍隊の駐屯地として開発したものでしたが、気候条件が良く、景観が優れた場所はその後、保養地や避暑地へと姿を変えていきました。現代では余暇を楽しむ空間として、世界中の人々が集う観光地として栄えているのはご承知の通りです。

 こうしたリゾート地は、美しい自然景観を楽しむために大挙して人が訪れるようになり、その結果、皮肉にも自然環境を悪化させる事態となりました。観光施設の拡大と観光客の集中が、水質汚濁や大気汚染、廃棄物の増大といった環境破壊を起こしたのです。こうした状況は、到底持続可能とはいえません。このようなリゾート業界において、早くから自然環境と地域社会との共生を理念として経営に取り組んできたのが、世界各国でラグジュアリーリゾートを展開するシックスセンシズグループです。「地域性を生かした斬新かつ独創的な体験」の提供を特長とする同グループのブランド「シックスセンシズリゾート」は、現在、アジア、中東、ヨーロッパに18拠点を構えています。

 2019年にカンボジア南部の離島に開業したシックスセンシズ・クラベイ・アイランドは、一つの島全体が丸ごとリゾートとして開発されました。島内にある40のヴィラと2つのレストラン、スパなどの建物は、島の生態系に悪影響がないように、森と海の生物学的研究を行った上で建設が進められたといいます。建築資材は地元で伐採された木材や砂岩などを使い、家具や備品は地域で作られた籐椅子や陶器を使っています。

 南の島のリゾートですから、沈む夕日を海上で眺めるクルーズや、透明な海でのシュノーケリングなど、自然を満喫するアクティビティは豊富に用意されています。しかしそれでは従来のリゾートと変わりません。特筆すべきは、カンボジア本土にあるオーガニックガーデンへのショートトリップツアーです。この農場は、リゾート内のレストランで使用する果物やハーブ、野菜を栽培する他、鶏とヤギを飼い、新鮮な卵とミルクを得られるようになっています。宿泊者はこの農場を訪れ、見学するだけでなく、食品廃棄物の堆肥化や種の発芽の方法など、持続可能な農法を学ぶことができるのです。

 リゾートには、太陽光パネルや下水処理施設、各部屋の電気を節約するためのシステムなど、近代的な設備を導入。また、竹やレモングラスなどでストローを作ったり、再利用可能なガラス瓶で水を提供したりと、プラスチック廃棄物を避けるための取り組みも行われています。こうしたリゾートの施策を網羅的に紹介するのが「アースラボ」と名付けられた施設です。ここでは、必要なものはできる限りその土地で生産することで、消費を抑制し、生態系を守ろうとする「環境にやさしい」リゾートの姿勢を学べるようになっています。熱帯雨林やサンゴ礁が広がり、豊かな生態系が存在するリゾートほど、サステナブルを見直すのに最適な場所はないかもしれません。

Source:https://www.sixsenses.com/en/resorts/krabey-island
Photo:シックスセンシズグループ

(エコイスト編集部)

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