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識別系AIで肺炎を発見!

この数年で大きく進化してきたAI。
そのAIを活用して、アメリカのジョンズポプキンス大学の研究チームが、専門家でなくても正確に肺疾患が診断できる「スマート聴診器」を開発しました。

世界では毎年約100万人の子どもが急性下気道感染症で亡くなっており、開発途上国では立地や経済的な問題からレントゲン検査を受けることができる人は5%未満という状況です。世界保健機関(WHO)は急性下気道感染症の問題を考慮して、息切れや咳などの症状があれば抗生物質の服用を推奨していますが、実体としては、このうち半数の服用は不要で、これがコミュニティの費用的負担と耐性細菌増加の要因となっています。

このような背景からAIを活用した「スマート聴診器」は開発されました。非専門家が正確な位置に聴診器を当てることは難しいですが、このスマート聴診器は広い範囲で均一な感度を実現でき、チェストピース(体の表面に接触させ音を集める部分)が正確な位置に当たっていなくても強力な信号が得ることができるという優れものなのです。また、肺炎の予測不能で不規則なシグナルパターンを維持しつつノイズを除去するというアルゴリズムを作成したことで、開発途上国の診療所で使用する場合の騒音にも対応しています。しかもこのアルゴリズムは、診断の邪魔となる心臓の音などの体内の音も除去するようになっているということです。

さらに、研究チームは聴診器をスマートにするため、呼吸パターンの正常と異常を識別し、肺炎の症状を自動的にスクリーニングするアプリも開発しました。このアプリはインターネットにアクセスできない環境でも使用可能とのことなので、場所を選ばずというのも大きなポイントであります。

現在、スマート聴診器はペルーやバングラディッシュの診療所でフィールドテストを行っており、うまくいけば安価な製品版ができるとのことです。スマート聴診器で発展途上国の多くの子どもたちの命を救う。SDGsの3番目に掲げられた目標「すべての人に健康と福祉を」を推進する持続可能な解決策といえると思います。

(エコイスト編集部)

2019.04.29