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アジア最大規模の屋上農園

昔の人はどうしてこんなところに・・・と関心せずにはいられない棚田。この棚田を現代に、しかも街中に作ってしまった建築家がいます。最新の棚田があるのは世界有数の米どころ、タイ。首都バンコクで最も古い大学のひとつであるタマサート大学のキャンパス屋上に作られました。

ルーフトップファーム「グリーンルーフ」と呼ばれるこの棚田、ただの屋上緑化ではありません。棚田には、山や林に降った雨の一部を保水する治水ダムとしての機能があります。バンコクでは2011年10月、記録的豪雨による洪水で、都市の5分の1が水没する事態に見舞われました。雨季の洪水対策が長年の課題となっている中で、新たに建設された建物の構造に取り入れられたのが、棚田の仕組みなのです。日本と同じように、タイの山岳地帯でも棚田は伝統的に作られてきました。植物が植えられた連続する段丘は、コンクリートの屋根と比べて、雨水の流失を最大20倍遅らせることができるといいます。 

そんな機能的なグリーンルーフですが、食料を都市で生産し、都市で消費するという新たな地産地消のモデルケースとしても可能性を秘めています。屋上で生産したお米は、そのまま大学構内の食堂で使われ、残ったものは堆肥化、農場で再利用されます。その際、重要なのが、田畑の管理を近隣の小規模農家や学生らが行い、雇用を作り出している点。さらに、加工や包装、輸送などにこれまで使っていた不必要な電力や廃棄物を全て削減している点です。

国連によると、2018年現在、地球上の人間の55%が都市部に暮らしています。これが2050年には68%、つまり人類の3分の2以上が都市部に暮らすようになると推測されています。そんな中で鍵になるのが「持続的な都市化」です。難しい言葉ですが、これまで村落地域で生産していた食料を都市部で作る態勢を整えたり、スラム街ができないようにしたりすることが求められているのです。グリーンルーフは、こうした課題に対する答えを示していると言えます。

設計を担当したランドプロセス社の建築家コチャコーンさんは、2011年の大洪水の後、大雨に対応できる緑地について考え始めたといいます。彼女は「都市部に新たに作ることのできる緑地は限られており、屋上農園は、簡単で効果的な解決法。今後の標準となるべきです」と話しています。

Source:https://www.fastcompany.com/90449898/
Photo:  Landprocess / FB

(エコイスト編集部)

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