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社用車の電気自動車化を牽引するNPO

世界各国で保有されている四輪車の保有台数は約13億7400万台*。この台数が電気自動車に置き換わるには、相当の社会インフラの整備が必要となり、予測が難しいほどの時間を要することになるかと考えられます。しかし、一般企業が所有する社用車で考えた場合は、変換までの時間はどうでしょうか? そこに着目して、一般企業が大量に所有する社用車を一気に電気自動車にすることで、温室効果ガスの削減を実現しようというグループがアメリカで発足しました。立ち上げたのは、ボストンに拠点を置くセレスというNPO団体。持続可能な未来のために、投資家や企業をつなぎ、既存のビジネスを刷新することを目標とする団体です。

グループの名称はCorporate Electric Vehicle Alliance。電気自動車を推進する企業同士のいわば同盟です。参加企業には日本でもよく知られたアマゾンやイケア、DHLなど国際的な企業が名を連ねています。車を一切使わない企業は少ないと思いますが、これらの企業は特に商品の輸送、運送に車を欠かすことができない業態ですね。

セレスの発表によりますと、残念ながら、電気自動車市場は企業が社用車として導入するまでにはまだ到達していないとのこと。電気自動車の開発は何かと話題にはなっていますが、多様な業務に対応するためのサイズ展開や量産化ができていないのが現状なのです。そこでこの同盟が中心となり、企業のニーズを集約することで、コスト競争力のある低価格の電気自動車の開発を進めるのが狙いです。

電気自動車の導入は、環境だけでなく企業にもメリットがあるといいます。温室効果ガス排出量の削減には直接影響するうえに、不安定なガソリン価格に左右されることもなくなります。また環境への配慮は企業評価の向上や、昨今では従業員の定着にまで影響するといいます。

ちなみに参加企業のイケアは、2025年までにすべての家庭用家具の配達に電気自動車を使用することを約束しています。セレスの気候・エネルギー担当のスー・リード氏は環境問題に関して「米国で最もCO2排出量の多い運輸・輸送に関わる業態の脱炭素化が求められており、電気自動車はこの移行に不可欠な要素」と強調しています。

ちなみに、ロイター通信によると、電気自動車の普及が進むノルウェーの2019年の新車販売台数は14万2381台。このうちの42.4%の6万316台が電気自動車であったそうです。ノルウェーは、2025年までに欧州で最初にガソリン車やディーゼル車の販売を禁止する国となることを目指しているといいます。新車の半分近くが電気自動車という今の実績をみていると、決して夢ではなさそうです。しかし、電気自動車の普及には、電気自動車自体の性能に加え、充電設備を含めた社会インフラの整備が必要不可欠な要素です。まさに、車輪のように、双方の回転がうまく噛み合うことで電気自動車市場の拡大につながると考えます。


*一般社団法人自動車工業会 2017年末資料

Source: https://www.ceres.org/
Photo:セレス

(エコイスト編集部)

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