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堆肥になるおむつで循環型社会を実現

生涯を通して多くの人がお世話になるおむつ。赤ちゃんだけでなく、障害のある方やお年寄りにとっては手離すことができない身近な生活用品の一つです。このおむつ、家庭での消費量が多いにも関わらず、リサイクルシステムがまだ確立されていないことをご存知でしたか。便利さの裏で、環境に負荷を与える廃棄物として近年世界中の自治体で課題になっているのです。

そんなおむつをゴミにせず、堆肥にして土に還すことができる商品を今年2月、アメリカのDYPER社が発売しました。おむつから作られた堆肥は、幹線道路の中央部の木々や草花など特殊な用途に使用されるとのことです。これまで使用済みおむつの大半はリサイクルされることなく埋立地に送られていました。そんなおむつが堆肥として社会の役に立つなんて驚きですね。

とはいうものの、実はおむつを堆肥にする技術は以前からありました。DYPER社の商品が画期的なのは、使用済みのおむつを業者が回収してくれる点にあります。同社のおむつはサブスクリプション制。常に必要なおむつを定期的に配達してくれます。使用済みのおむつは専用の箱に入れておけば、定期的に商品を届けに来る配送業者が引き取ってくれるのです。おむつが必要な家庭は忙しいもの。堆肥にするにあたって、特別に何かをする必要がないというのは、ユーザーにとって大きなメリットです。

この堆肥化事業、DYPER社は世界21カ国で廃棄物管理事業を展開するTerra Cycle社と提携することで実現しました。同社のCEOトム・ザキー氏は今回開発したおむつの回収事業に関して「それは最高に楽でないといけないのです。捨てることよりも楽でないといけません」と強調しています。たとえ環境にいいことだと分かっていても、その行動が負担になってしまうとしたら、世の中には受け入れられませんね。これはおむつに限らず、環境に配慮した行動を私たちがとれるかどうか、すべてのことに当てはまりそうです。

ちなみに、DYPER社のおむつの肌に直接触れる部分や外側のシートは、竹を原材料にして製造されたビスコース繊維を使用しています。竹は一日120センチも伸びると言われるほど成長が早く、循環型の資源として注目を集めています。その竹で作られたビスコース繊維は炭水化物でできているため、微生物が分解できる生分解性を持っています。このほか、堆肥にするために塩素やアルコール、香料など有害な化学物質は使用していないとのこと。

おむつの堆肥で街中の木々を育てるということは、寝たきりになってしまった方々や生まれたばかりの赤ちゃんが間接的に社会に参加するということ。堆肥化できるおむつが広まることは、循環型の社会の実現に留まらず、全員参加型の社会に近づくことにもなりそうです。

Source:https://www.prnewswire.com/news-releases/dyper-introduces-the-worlds-first-compostable-diaper-partners-with-terracycle-to-implement-us-redyper-program-301005759.html
Photo: DYPER

(エコイスト編集部)

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2020.03.30