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ルクセンブルクの公共交通機関が無料に

国内の公共交通機関の運賃が全て無料になったら、かなりワクワクしませんか? 線路がある限り、いつでもどこへでも好きなところに行けるのです。

現在の所得や住環境によって答えはまちまちかと思いますが、そんな全ての公共交通機関の無料化がルクセンブルクで始まりました。ルクセンブルクは、ベルギー、オランダとともにベネルクス三国と呼ばれるEU加盟国の一つ。人口約60万人、金融業が盛んで一人当たりGDP費の高い裕福な国として知られています。

2020年3月1日から無料化したのは、同国内を走る全ての電車、トラム(路面電車)、バスの3つの移動手段です。複数都市での交通機関の一部無料化はすでに他の国でも行われていますが、国全体の交通網を無料化にしたのはルクセンブルクが初めてと言われています。ちなみに無料化にかかる費用は、税金でまかなわれます。

プロジェクトの公式HPによりますと、無料化の目的は貧富の差の拡大を止めること。車を使わない低賃金の人にとっては、移動にかかる費用が少なくなるのは非常に大きなメリットであり、同国の約40%の世帯にとって、1世帯当たり年間100ユーロ(約1万2000円)前後の節約になるという推定も出ています。

しかし、元々ルクセンブルクの交通機関の運賃はこれまでも比較的低く抑えられていたこと。また、20歳未満の若者や30歳未満の学生、低所得世帯で月額基本手当を受給している人など、多くの利用者はすでに無料で利用できていたことなどから、無料化はそれほどの効果はないと主張する評論家もいるそうです。

格差の縮小効果の是非はさておき、実は、この無料化は都市部の渋滞緩和策としての一面もあるのです。ルクセンブルクには毎日、隣国のベルギー、フランス、ドイツから20万人以上が通勤していますが、そのうち公共交通機関を使う人は20%に満たず、60%は自動車を使い、そのため渋滞が問題となっているのです。無料化は他国からルクセンブルクに通う人にも適用されるため、公共交通機関を使って同国に通う人が増えると見込んでいます。政府は2025年までに公共交通機関を利用する人の数を20%以上増やすため、電車と路面電車、バス間の接続の改善も計画しているといいます。

ヨーロッパでは交通機関の無料化を行う自治体が増えており、フランスのダンケルク市ではバスを無料化した結果、平日の乗客数が60%急増したという数字も出ています。SDGsの目標11「住み続けられるまちづくりを」では、公共交通機関の拡大がターゲットとして定められています。移動にかかる費用が無料になるなんて夢のような話、と思われる方もいるかもしれませんが、公共交通機関の無料化は世界の潮流になるかもしれません。

Source:https://www.mobilitegratuite.lu/en
Photo:ecoist

(エコイスト編集部)

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