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シンガポールのモビリティの発展が加速化

国の総面積はさほど大きくないシンガポールですが、次世代社会に向けての先進的な取り組みが次々と行われています。昨年の5月には、シンガポールの陸上交通庁(LTA)が、2040年までの陸上交通の拡充政策「LTMP2040(Land Transport Master Plan)」を発表。政策には大きく、「移動時間の短縮」「バリアフリー化の推進」「歩行者の安全と健康の向上」の3つの目標が掲げらました。

まず、移動時間の短縮では、徒歩、自転車、交通機関を組み合わせた移動手段により、ラッシュ時の通勤・通学時間を45分以内、各家庭から最寄りの商業施設への移動時間を20分以内にそれぞれ縮めることを目指すとされています。この目標の実現に向け、都市高速鉄道(MRT)の新設や最大75%の延長、新駅の設置が計画されています。

次に、バリアフリーの推進については、高齢者や妊婦、車イスやベビーカー利用者向けに、駅のホームに乗車を待つ専用の列を設け、専用車両も試験導入する計画が立てられています。

そして、歩行者の安全と健康の向上では、徒歩や自転車利用を推奨する目的で、MRTの駅と住宅地、商業施設などを結ぶ屋根付きの通路を整備したり、駅に自転車置き場を設置することなどが計画されています。また、歩行者の安全を確保するため、自動車の走行速度を時速30キロメートルに制限するシルバーゾーン50カ所を指定、歩行者優先を促す標識を設置するといった内容なども盛り込まれています。

さらに「LTMP2040」には、「電気自動車やハイブリッド車と同様に、2040年までに公共バスのエネルギー消費量を100%削減することを目指す。」とも述べられており、すなわち、シンガポールでは、ディーゼルバスは1台も調達されず、電気自動車かハイブリット車になるということです。すでに2018年12月には、50台のディーゼルハイブリッドバスの試験運行が行われています。そしてついに、2020年4月からは完全に電気で走る公共交通機関のバスが10台稼働し始めました。

シンガポール陸上交通庁(LTA)のfacebookによると、この電気で走るバスは5つのルートで運行しているようです。今年は電気で走るバスがさらに50台導入される予定もあるとのこと。公共交通機関の全てのバスが、電気で走るバスになった場合、年間8,000トン近くの二酸化炭素を排除できるとされています。これは、1,700台の自動車で発生する二酸化炭素の量に相当する量です。また、電気で走るバスは環境負荷を減らすだけでなく、ルート情報がデジタルで表示されたり、センターポールがなくベビーカーを持っていても簡単に乗り込めたりと、ユニバーサルデザインであることも特徴です。

シンガポールは近年、MaaS(※1)に力を入れ、シンガポール西部全体で自動運転のテストが出来るようにしたり、モビリティX社によるMaaSアプリ「Zipster(ジップスター)」が登場したりと、急速な発展を遂げています。モビリティの発展と同時に、環境負荷を減らしたクリーンな都市になることが楽しみですね。

※1
MaaS(Mobility as a Service):ICTを活用することで自家用車以外のすべての交通手段をクラウド化して連携し、移動(モビリティ)を一つのサービスとして捉え、シームレスにつなぐ新しい「移動」の概念。
MaaSによって実現されるサービスとは、スマートフォンのアプリなどを使ってあらゆる交通手段、ルートを検索し、予約も運賃の決済もワンストップでできるようなサービスを指すのが一般的。

Source:https://www.lta.gov.sg/content/ltagov/en/who_we_are/
Photo:Singapore

(エコイスト編集部)

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