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ベトナム発、原点回帰のストロー

海洋プラスチックごみの象徴であるかのようなイメージすら定着しつつあるプラスチックストローですが、そもそも人類はいつからストローを使っているのでしょうか。一説では、紀元前4千年から3千年頃、古代メソポタミア文明まで遡ると言われています。濁ったビールの澄んだ底の液体部分を吸うために、中が空洞でストロー状の植物である葦が使われていたと言うのです。

現代ではビールをそのように飲む必要はなく、ストローはもう必要ない、という過激な意見も聞かれます。しかし、子どもやお年寄り、障害のある人にとってストローが便利なものであることも事実です。価値を巡って議論が呼ぶそんなストローですが、紙製であったり、プラスチックでも生分解性であったりなど、代替素材の研究開発もかなり進んできました。

そんな中、ベトナムを拠点とするスタートアップ企業Strawlific社の姿勢は原点回帰。素材は、先ほど紹介した古代のストローの原料である葦と、葦とよく似た植物であるスゲの2種類なのです。首都ホーチミン周辺の湿地帯で、古くからこれらの植物を栽培してきた農家と提携し、天然素材による完全に土に還るストローとして販売しています。

葦とスゲのストローの長所は、紙やプラスチックと比べて、CO2排出量が圧倒的に少ないこと。商品化のプロセスは、手摘み、カット、洗浄、殺菌、包装するだけというシンプルさ。機械化を最小限に抑え、プロセスの多くを手作業のままにし、持続可能なペースで製造しています。

商品は、使い捨てと再利用可能な2種類をラインアップ。原材料がスゲの「Sedgy」は使い捨て。飲みものの温度は氷水から110度まで対応し、保証期間は製造から12ヶ月間とのこと。スゲよりも耐久性が高く再利用可能なのが「Windy Straw」。原材料は葦です。カクテル用の5mm幅のものから、スムージーやタピオカにも使える20mm幅のものまでサイズはさまざま。スゲも葦も伝統的に帽子やバッグ、敷物、簾など、身の回りの品に使われてきただけあって、丈夫さは折り紙つきです。

Strawlific社を設立したのは、ハンガリーの環境保護活動家のデビッド・サイモンさん。サイモンさんは、サステナビリティ・タイムズの取材に「1日に20億本以上のストローが世界中で使われており、ストローを使う私たちの習慣は変わらないでしょう。環境に配慮した製品を提供することで、プラスチックストローの消費量を減らしたい」と話しています。

プラスチックストローを紙のストローに切り替える飲食店が確かに増えていますが、紙のストローに対しては、ふやけてしまう、紙の味が気になる、などといった不満も聞こえてきます。技術を駆使して新製品を開発するのもいいですが、原点に戻るという潔い判断こそ最も先進的な代替案かもしれません。

Source:https://www.strawlific.com/
Photo:Strawlific

(エコイスト編集部)

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