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海洋汚染の問題を呼びかける魚のランプ

愛らしい魚の形をしたこの照明、どこかで見覚えがありませんか? そう、駅弁などについている、あの醤油の容れ物です。

「Light Soy」と名付けられたこのガラスの照明。設計、商品化したのはシドニーを拠点とするデザインスタジオのheliograf社。日本生まれの小さな醤油入れのデザインを、どうして照明に取り入れたのでしょうか。背景には、プラスチックによる海洋汚染へのメッセージがありました。

プラスチックの海洋流出の問題は、エコイストでも度々取り上げてきました。ご存知の通り、すでに大量のプラスチックが海に広がってしまっている中で、海洋資源をこれからも利用していくためには、3Rが重要だと言われています。3Rとは、リデュース(削減)、リユース(再利用)、リサイクル(再資源化)の頭文字で、このうち最も重要なのがリデュースです。ペットボトルやシューズの再資源化など、リサイクル技術の進歩はこれまでの記事でも紹介した通りですが、まずするべきことは、ゴミそのものを減らすことである、というのが国連の見解です。

ここで、あの魚の形の醤油ケースが出てくるのです。醤油一人分が個別に詰められているのは便利なのですが、リユースする人はあまりいないのではないでしょうか。また、小さなプラスチック製品はリサイクルも難しく、埋立地に捨てられてしまうと言います。結果的に、あの愛らしい魚は使い捨てにされ、海洋汚染をすすめる原因となっている可能性があるのです。そして、環境中に出て行くプラスチックの実に40%以上が、こうした使い捨ての商品であるという報告があります。heliograf社のデザイナーは、こうした使い捨てプラスチック商品の問題を世に広く訴えるために、Light Soyを開発したのだと言います。

そもそも、この容器はどのような背景から誕生したのか。開発したのは日本の食の都大阪にある食品加工業旭創業。製造を始めた1957年当時は、容器が陶器やガラスしかなく、割れやすく危険であったため、代替品が必要とされていたようです。その際、創業者が「魅力的な形の物を」と考え、あのデザインが生まれたといいます。ちょうどその頃、駅弁と呼ばれる日本ではどこに行っても見かける電車の駅で販売するお弁当が、全国各地で作られるようになり、駅弁とセットで日本中に広まりました。近年では、和食ブームなどが追い風となって外国からの注文も増えているようです。

半世紀以上前に愛らしい魚をデザインした日本人は、海洋プラスチックの問題など思いもよらなかったでしょう。Light Soyの開発は、時代が求めるものが個人の便利さから、地球への配慮へと変わりつつあるということを感じさせます。公式HPでは現在、発売に先駆けて事前注文を受け付けています。

Source:https://heliograf.com/
Photo:heliograf社

(エコイスト編集部)

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