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プラスチックみたいな包装材料!?

プラスチックによる環境汚染は止まることなく、生物の存在を脅かす存在となっています。プラスチックの使用量を減らそうと各国の行政や、企業が様々なアクションを起こしていますが、劇的に改善することは簡単なことではないでしょう。また、食品のパッケージに使われているプラスチック包装などは、保存の観点から必要な場合もあり、一概にプラスチックを無くすことは難しいのです。このようなジレンマを抱えるプラスチックですが、”プラスチックのような”包装材料が開発され、解決に向けて一筋の光が見えたかもしれません。

プラスチックのような包装材料は、VTT(フィンランド国立技術センター)から2020年4月に発表されました。プラスチックのような包装材料は、完全に再生可能な物質であるセルロースと脂肪酸を使用して作られ、熱成形(※1)可能な特性を持っているそうです。すなわち、熱を使用して成形できる特性を持っているため、現在使われているプラスチックと同じように、食品包装などを精製できるということです。

この夢のような包装材料の研究は、VTT(フィンランド国立技術センター)とArla Foods(酪農共同組合)、Paulig Group(食品・飲料会社)、Wipak(包装会社)が共同で行っているプロジェクトです。この物質の潜在的な用途はすべてまだわかっていないため、研究は現在も進行中です。開発プロセスの次のステップは、何百キロもの材料を生産し、それを企業とともにさまざまな包装のプロトタイプを作ることです。これは、工業プロセスおよび実際の使用条件における材料の機能性を検証するために行われます。

VTTの発表では、『プラスチックのような熱可塑性素材は、2018年のエレン・マッカーサー財団のコンペティションでトップを獲得したVTTによる包装材料の1つのコンポーネントです。この包装材料のコンセプトを商品化するためには、熱可塑性素材を工業生産に導入することが不可欠です。熱可塑性を達成するために、自然な特性に大きな影響を与えることなく調整する必要があります。』と述べられています。

このプロジェクトは、2021年5月に終了する予定です。プラスチックのような包装材料が使用されるようになれば、プラスチックごみ問題の解決に近付けるのではないでしょうか。プロジェクト終了時の成果が気になるところです。

※1
熱成形:加熱して軟化させた熱可塑性樹脂(プラスチック)のシート、フィルムなどを型を用いて成形する方法。加熱したシートを型にかぶせて固定し、型とシートの間を真空にする真空成形と、圧縮空気でシートを加圧する圧縮空気圧成形がある。

Source:https://www.vttresearch.com/en/news-and-ideas/
Photo:VTT

(エコイスト編集部)

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