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スウェーデンとオーストリアが石炭フリーに!

ヨーロッパでは近年、脱石炭化が進んでいることをご存知ですか? 今年4月、スウェーデンとオーストリアの二カ国が国内の石炭火力発電所を廃止しました。両国は、ヨーロッパで石炭火力発電を止めた国としては、2016年のベルギーに次いで、2、3番目の国となりました。

そもそも欧州連合(EU)の始まりは、1952年に創設された欧州石炭鉄鋼共同体(ECSC)でした。第二次世界大戦の反省を踏まえ、国家の枠を超えて石炭を管理し、エネルギー源の奪い合いを防ぐために創設された組織です。ある意味ヨーロッパを一つにまとめたともいえる石炭ですが、今になってどうして脱石炭化が進んでいるのでしょうか。

それはご存知の通り、石炭が化石燃料の一つだからです。石炭は木炭に替わる燃料として、16世紀中頃のイギリスで使われ始め、18世紀には産業革命を支える主要なエネルギー源となりました。第二次大戦前後からは石油にその座を取って代わられますが、石炭は埋蔵地がアジア、アメリカ、ヨーロッパと広範囲に分布しているため、安定供給できるエネルギー源として今もなお世界中で使われています。

ところが、石炭のCO2排出量は化石燃料の中で最も高いとされています。そのため気候変動対策を進めるEUでは、使用量を少なくしてCO2排出量を減らすため、石炭産業への国の補助を禁止したり、大気汚染物質の排出基準を厳しくしたりといった規制を設けてきました。こうしたことから、多くの国が石炭火力発電所を止める方向に動いており、それぞれの国が廃止目標年を宣言するまでになっています。

さて、スウェーデン最後の石炭火力発電所となったのは、電力会社ストックホルム・エクセルジのヴァータヴェルケット発電所。4月16日に発電プラントを停止しました。1989年に稼働し、ストックホルム市内全域に電力を供給してきたプラントです。この停止によりエクセルジ社のCO2排出量は、年間80万~90万トンから、ほぼ半分の40万トンに削減される見通しだといいます。ちなみに、廃止はもともと2022年の予定でしたが、2年前倒しで目標を達成したとのこと。温暖化による暖冬のために、以前より発電する必要がなくなっていたそうです。

同じようにオーストリアでも電力会社フェルバンドの石炭火力発電所が当初の予定通り発電を停止しました。ただし、同国に関しては鉄鋼会社フェストアルピーネが製鉄工程で石炭を使っているとのこと。脱石炭にはもう一歩という状況です。

石炭利用を段階的に廃止することを目指す市民グループ、ヨーロッパ・ビヨンド・コールによりますと、廃止を宣言している国と目標年は、フランス (2022) 、スロバキア (2023) 、ポルトガル (2023) 、イギリス (2024) 、アイルランド (2025) 、イタリア (2025)、ハンガリー(2030)、デンマーク(2030)、ドイツ(2038)などと続きます。ドイツは石炭の産出国であることから、生産と消費の両面においていまもなお重要性が高く、他国と比べて遅くなっているといいます。

Source:https://www.goodnewsnetwork.org/
Photo:ecoist

(エコイスト編集部)

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