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コーヒーが固形燃料に?

世界で愛されているコーヒーですが、一体どれくらいの量が一日で飲まれているかご存知ですか? その数、約20億杯とも言われています。これだけ飲まれているということは、相応の使用後のコーヒーの粉がゴミとして出ていることは想像に難くありません。

世界中で毎日膨大な量が廃棄されているコーヒーの粉を使って、なんと、固形燃料を作っている企業が英国にあるのをご存知ですか。それが、「廃棄物を資源に変える」として注目を集めているスタートアップ企業のBio-bean社です。同社は年間7000トンの使用後のコーヒーの粉をリサイクルしているといいます。ちなみに、英国では、その約70倍の50万トンという量が一年間に廃棄されているのだそうです…。

同社は街のあらゆるところから、例えば、カフェやレストランはもちろん、空港や鉄道の駅、大学など、コーヒーが飲まれているさまざまな企業や組織と草の根的に協力して回収しているのです。当然のことながら、リサイクルしやすいようには処理されていないので、ケンブリッジシャーにある同社の工場で、紙やビニール袋を取り除く作業を行います。その後、乾燥、選別という工程を経て、おがくずと混ぜ、家庭用薪ストーブなどで使える丸太状の固形燃料と、商業用温室や穀物乾燥用のボイラーなどで使われる細かいペレットに加工されます。家庭用の燃料は、ホームセンターやAmazonで8kg900円前後で販売されています。

同社によりますと、使用後のコーヒーの粉は埋立地に運ばれると分解され、メタンガスを発生します。メタンガスの温室効果はCO2の25倍と考えられており、削減効果には気候変動対策としての即効性があることがわかっています。同社は燃料としてリサイクルすることにより、埋め立て処分する場合に比べて、温室効果ガスの排出量を80%削減できるといいます。

ただし、ある報道機関は、持続可能エネルギーを専門とする大学教授が、植物栽培で株元の土をわらや堆肥などで覆う手法「マルチ」(※1)などの代替案と比較検討する必要があると指摘しています。理由は、使用後のコーヒーの粉は燃えると木材よりも多くの硫黄分や窒素分を排出するからとのことです。サステナブルな取り組みが広まっていく中で、注意しなければいけないことは、企業活動が実際に地球環境にどのように作用しているのかは一般人には判断が難しいということ。専門家の意見を聞いた上で判断したいところです。

いずれにせよ、世界規模でのコロナウイルスの感染拡大により、家庭でのコーヒー消費量が増え、生ごみも増えていることと思います。同社のホームページでは、家でできるコーヒーの粉のリサイクル方法を紹介しています。捨ててしまっている方は参考にしてみては?
https://www.bio-bean.com/news-post/

※1
マルチ:植物栽培で地温の調節や土壌水分の蒸発を防ぐなどの目的から、株元の土を覆うことをマルチまたはマルチングと呼ぶ。専用のポリエチレンだけでなく、わらや堆肥、腐葉土などで覆うこともある。

Source:https://www.bio-bean.com/
Photo:Bio-bean

(エコイスト編集部)

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