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Amazonが次々と再エネの導入を促進

Amazonは5月、中国、オーストラリア、米国で、計5つの新しい太陽光発電プロジェクトを実施すると発表しました。これは、パリ協定の目標を10年前倒しで達成するという誓約「The Climate Pledge」を達成するための具体的な計画の一つです。

The Climate Pledgeを理解するために、まずパリ協定を簡単におさらいしましょう。パリ協定とは、1997年に採択された京都議定書以来18年ぶりとなる気候変動に関する国際的枠組みです。気候変動枠組条約に加盟する全196カ国全てが参加する枠組みとしては史上初のもので、2020年以降の地球温暖化対策を定めています。国際社会が目指すべき目標として、主な内容は以下の2つ。

①世界の平均気温の上昇を産業革命前と比べて2度未満に保ち、1.5度に抑える努力をする
②21世紀後半に温室効果ガスの排出量を実質ゼロとする

そしてパリ協定発効から2年後の2018年、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)(※1)は最新の研究に基づき「1.5°C特別報告書」を発表しました。報告書では、状況と目標が以下のように更新されました。

①2030~2052年の間に1.5度上昇に達する見込み
②1.5度に抑えるためには、2050年に温室効果ガスの排出量を実質ゼロとする必要がある
③1.5度に抑えるためには、2050年に再エネ70~85%、石炭はほぼゼロにする必要がある

パリ協定の目標と比べて、驚いた方も多いのでは。そうです、温室効果ガスの排出量を実質ゼロとする目標期限が、21世紀後半から2050年へと早められているのです。このように、私たちが直面している状況は、かなりスピード感をもって深刻になってきているということなのです。そのようななか、amazonが昨年9月に提言したのが「The Climate Pledge」でした。これは、同社事業の再生可能エネルギー比率を2024年までに80%、2030年までに100%、温室効果ガス排出量を2040年までに実質ゼロにする、という内容です。

温室効果ガスの実質ゼロ化の目標期限を「1.5°C特別報告書」の2050年よりも10年早い2040年としていることについて、同社創業者兼CEOジェフ・ベゾス氏は次のように述べています。「気候変動問題への企業の取り組みにおいて、中心的な役割を果たすべく、規模を活用し、現状に変革をもたらす決断をしました。年間100億以上の商品を販売するAmazonのような物理的インフラを抱える企業が、パリ協定の目標を10年前倒しで達成できたら、他の企業もその目標を達成できるはずです」。

同社は現在、世界全体で91の再生可能エネルギープロジェクトを実施。2,900MW以上の発電容量を保持しています。今回発表した5つのプロジェクトでさらに615MWが追加される見込みです。新たに建設する太陽光発電所の所在地と発電容量は以下の通り。

●中国・山東省ー100メガワット。
●オーストラリア・ニューサウスウェールズー105メガワット。
●米国オハイオ州ー200メガワット、80メガワット。
●米国バージニア州ー130メガワット。

中国では初、オーストラリアでは二番目、アメリカでは十、十一、十二番目の発電プロジェクトになります。発電する電力は各国の物流センターやデータセンターに供給されるとのこと。コロナウイルスの感染拡大による世界的な外出自粛により、現代人のインフラとしての存在感をさらに強くしたamazon。気候変動問題への同社の積極的な取り組みには、世界をリードしようという強い責任感の現れと言えるでしょう。

※1
気候変動に関する政府間パネル/IPCC:気候変動に関する政府間パネルは、国際的な専門家でつくる、地球温暖化についての科学的な研究の収集、整理のための学術的な政府間機構

Source:https://press.aboutamazon.com/news-releases/
Photo:ecoist

(エコイスト編集部)

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