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海亀を守る再生プラのデビットカード

コロナにより遠出を控えている方も多いと思いますが、動物は変わることなく季節の巡りの中で自由に移動して生きています。愛らしい姿で人気のウミガメもそんな回遊性の生き物。そして、産卵のために世界各地の砂浜に姿を現す季節になりました。

マレーシアの主要銀行の一つRHB Islamicはこの6月、そんなウミガメが大きくデザインされた環境にやさしいデビットカードを発行すると発表しました。カードの材料は再生プラスチック。これはアジア太平洋地域では初めての試みとなります。

このカードの名称は「RHB Visa WWF Debit Card-i」。このカードは、海洋生態系の保護と環境の持続可能性に対する一般の認識を高めることを目的として、世界自然保護基金(WWF)マレーシアとトレンガヌ大学との共同プロジェクトです。カード利用者は、海洋生物の保全に取り組むトレンガヌ大学の海洋研究への寄付を選択することができ、また、WWFマレーシアの通販サイト「パンダショップ」の商品は10%割引で購入できます。

海中を穏やかに泳ぐアオウミガメが目を引くスタイリッシュなデザイン。カードの発行の意義について、トレンガヌ大学の副学長Aieni Binti Haji Mokhtar氏は「学生と地域とのつながりが生まれ、環境保護活動が広がるでしょう」と期待します。また、RHB IslamicのマネージングディレクターDato ‘Adissadikin Ali氏は「アオウミガメの視覚的なイメージは、お客様がより持続可能なライフスタイルを送ろうとする気持ちを後押しするでしょう」と語っています。

AFP通信によりますと、同国のウミガメの主要な産卵地トレンガヌ州では、絶滅が危ぶまれるウミガメの繁殖を促進するため、卵の取引を禁止する方針が発表されました。同州には、世界中の多くの観光地と同じように、ウミガメが産卵し、孵化した赤ちゃんが海に旅立つ姿を見ようと、大勢の観光客が集まります。しかし、肉や甲羅、卵の不法な採取が横行したことにより、ウミガメの数はここ数十年で急減しました。州当
局は、卵の取引を禁止することで、海洋生物と環境を守り、州の観光収入の増加を期待しているといいます。

しかし実際は、ウミガメに対する考え方はさまざまです。産卵シーンを見たりダイビングで一緒に泳いだりすることが目的の観光客と地元の人とでは意識が随分異なるようです。地元の人は卵を食用にしており、市場でも公然と販売されているといいます。卵の販売や食べることが地元の文化の一部だとすれば、当局が決めた取引の禁止の徹底には困難が予想されます。同じような構図に、世界中から非難されながらも続けられる日本の鯨漁があります。長いあいだウミガメとともに生活を営んできた人々と手を携えて保護活動を進めることが求められています。

Source: https://www.rhbgroup.com/ocean/index.html
Photo:RHB Islamic

(エコイスト編集部)


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