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義務教育にも気候変動を取り入れる

昨年、国連温暖化対策サミットで演説をしたグレタ・トゥーンベリさんは当時16歳でした。大人の無責任ぶりに怒りを込めて「あなた方は私たちを裏切っています」と訴えたのは記憶に新しいところです。しかし、あれ以来、大人の子どもに対する向き合い方が少しずつ変わり始めているのも事実です。

米国ニュージャージー州教育委員会は6月、気候変動教育を取り入れた2020年版学習ガイドライン(Student Learning Standards)を採択しました。幼稚園から高校までの義務教育に気候変動学習を取り入れるのは全米初の試みだといいます。

州の発表によりますと、この採択により、気候変動教育は単一の科目としてではなく、以下の7つの科目に組み込まれる形で行われるといいます。

「21世紀の生活とキャリア、総合的な健康と体の教育、科学、社会研究、技術、視覚芸術と舞台芸術、世界の言語」。また、2022年に内容の見直しが予定されている数学と英語のガイドラインの付録にも内容が追加されるとのことです。

ニュージャージー州には、ニューヨークやフィラデルフィアへの通勤者が多く住んでいます。人口密度が全米一と都会的な州ですが、海岸線の焼失や湖での有害な藻類の発生、かつてないような暴風雨や夏の猛暑など、気候変動による生活への影響はすでに大きくなっています。採択を発表した同州知事夫人のタミー・マーフィー氏は、今回の採択は世代間のパートナーシップの象徴だと強調します。マーフィー氏は「今、私たちは子どもたちが問題を解決するのを助けるために全力を尽くす必要がある。この世代の子どもたちは気候変動の影響を他のどの世代よりも感じるでしょう。すべての生徒に、包括的かつ学術的な見方で気候危機を理解し学ぶ機会を提供することがは重要です」と話します。

知事のフィル・マーフィー氏も未来の働き手としての子どもに期待を寄せます。「今回の採択は、グリーンエネルギー経済の将来を強化する重要な一歩。新たなグリーンジョブの担い手を育て、知識ベースを蓄え、ニュージャージー州を2050年までに100%クリーンエネルギーの州へと変えるリーダーを育てるのです」。

また、アル・ゴア副大統領も同州の取り組みに賛辞を送っています。「気候変動と戦うには、生徒たちのリーダーシップと知識が必要。知識を持つリーダーだけでは十分ではなく、解決策を作成し、実行できるリーダーが必要です。ニュージャージー州の率先した取り組みは極めて重要だ」とコメントを寄せました。同州の教育改革は、グレタさんをはじめとした若い世代へのメッセージです。気候変動は人為的によるものではないとする主張もありますが、対応することで状況に良い変化が見られるのであれば、対応しないという選択肢はないと考えます。子どもたちを含めた全人類で気候変動に向き合う時が来ているのです。

Source:https://nj.gov/governor/news/news/562020/approved/
Photo:ecoist

(エコイスト編集部)


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