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ケリングが農業ファンドを設立

お気に入りのアパレルブランドがどのくらい持続可能なものづくりをしているか、ご存知ですか?もし分からなければ、ブランドのエシカルレベルを調べることができるアプリ「グッド・オン・ユー」を使ってみるといいかもしれません。業界の環境問題に、以前から意見を唱えてきた俳優のエマ・ワトソン氏がイメージモデルとして協力していることで注目を集めているアプリです。

サステナブルなファッションの旗振り役として活躍するワトソン氏は、今年6月、グッチやサンローランなど名だたるブランドを傘下にもつラグジュアリーグループのケリングの取締役に就任しました。その後、同社は環境再生型農業を推進する”ケリング・フォー・ネイチャー・ファンド”を立ち上げると発表。ファンドはおよそ100万haに及ぶ世界中の農地を、環境再生型農業プロジェクトとして支援するといいます。

読者の方の中には、ファッションブランドが農業?と疑問に思われる方がいるかもしれませんが、コットンやヘンプをはじめ、ウールや動物の革など自然由来の素材はすべて農業が生み出すもの。現代はそのつながりが見えづらくなっていますが、両者は本来同じ業界と言っても良い関係にあるのです。ファンドの最終的な目標は、ファッション製品の原材料の生産のあり方を変え、生態系と調和する農法への段階的な移行を促すことだといいます。

では、ケリングが目指す環境再生型農業とはどのような農業をいうのでしょうか。反対の農業を想像すると分かりやすいかもしれません。それは環境破壊型、つまり化学肥料や農薬を大量に使い、従事する人間の健康を害したり、公害を発生させたりし、農作物の生産の過程でCO2を大量に生むような農業のことをいいます。対して環境再生型の農業とは、農薬や化学肥料を使わず、土壌の生態系を豊かにし、CO2を植物や土の中に固定する農業をいいます。

同社はファンドの設立と同時に、生物多様性に重点を置いた2025年までに達成をめざす3つの目標を公言。1つ目は、原材料の生産などサプライチェーン全体で要する土地面積の約6倍に当たる土地の再生と保護。2つ目は、100万haの農地と放牧地の環境再生型農業への転換。3つ目は、生物多様性の保全、炭素の吸収・固定、生息環境の改善を支援するプログラムを通じて100万haの土地を保護することです。

同社のチーフ・サステナビリティ・オフィサーのマリー・クレール・ダヴー氏は、「企業は自然に対して好影響を与える”ネイチャー・ポジティブ・エコノミー”へと移行する上で、大変重要な役割を担っているのです」と述べています。冒頭でお伝えしたグッド・オン・ユーのようなアプリが登場し、今や消費者はブランドのエシカルレベルを見てモノを買う時代。とはいえ、完璧にエシカルだと胸を張って言える企業はまだ少ないのが実情です。多くの企業が今は目標を発表している段階ですので、消費者は今後の動きを注視していかなければなりません。

Source: https://www.kering.com/en/news/
Photo:Kering

(エコイスト編集部)


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