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オフグリッドに向かうマクドナルド

電力会社から調達する電気の使用を削減する流れが徐々に大きくなっています。その理由は、電力会社の電気のほとんどは火力発電によるもので、すなわち、化石燃料由来のエネルギーであり、二酸化炭素を大量に排出しているからです。自分のところで再生可能エネルギーで発電した電力を使用し、足りない分を電力会社から調達すれば、結果、二酸化炭素の排出削減につながるということです。いわゆる、電気の自産自消モデルというものですが、外部からの電力の調達を行わないレストランがあったら、先進的なお店だと思いませんか?環境に優しいだけでなく、災害時に停電してしまっても普段と変わらず料理を提供してもらえるならば、万が一の時も地域の人々の支えになってくれます。そんな頼もしいレストランがこれから世界各地に増えていくかもしれません。

米国のマクドナルドは7月、「究極のエネルギー効率とパフォーマンスを追求する」と宣言し、年間に使用する電力量を店舗で作る再生可能エネルギーのみで賄うことのできる旗艦店をオープンすると発表しました。フロリダのウォルトディズニーリゾートにある店舗で、改装を終え既にリニューアルオープンしています。

マクドナルドが世界に向けて発信する新たなお店とは、どのようなものになるのでしょうか。発表によりますと、総面積745平米の新店舗の特徴は、四つの発電設備と三つの節約システムにあるようです。

発電設備の一つ目は屋上のソーラーパネル。V字型の屋根に設置した1066枚のパネルが年間約60万キロワットの電力を生み出します。二つ目は約140平米の屋外ポーチに敷き詰められたソーラーパネル。こちらの発電量は年間7万キロワットとのこと。三つ目は駐車場に立ち並ぶソーラーポール。9千キロワットの電力を作り、夜間の電灯消費分の電力をカバーします。最後は、何と、店外に設置された固定式のエアロバイクです。人力で電力を生み出す発電機で、携帯電話の充電ができるほか、外壁のマクドナルドのシンボルマークを光らせて、発電を楽しく実感することが出来るという趣向を兼ね備えたものとなっています。

次に節約システムですが、一つ目は約55平米に渡って備え付けられた自動のルーバーウインドウです。暖かいフロリダの気候に合わせて、冷気を店内に流し入れ、暖かい空気を店外に出すよう自動で調整する「呼吸する窓」となっています。二つ目は外壁約157平米を覆う植物。庭にも植栽があり、無理なく生育できるフロリダ固有の植物を植えています。三つ目は水量を少なく抑えるよう設計された排水設備で、水の再利用を徹底するといいます。

マクドナルドはこうした特徴を備えた新店舗の建築で、米国に拠点を置く非営利団体International Living Future Institute(国際生活未来研究所)が発行するネット・ゼロ・エネルギー証明書を2021年中に取得する考えだといいます。同証明書は、建物が持ち主の主張通りに年間で必要とされる電力に相当する再生可能エネルギーを生み出していることを証明するもの。第三者の認証を得ることで、マクドナルドはネット・ゼロを達成したことを正当に主張できることになります。

米国のマクドナルドはグローバルコミットメントとして、2030年までに店舗とオフィスの運営に関する温室効果ガス排出量を2015年比で36%削減すると発表しています。旗艦店はエネルギーと水の使用量削減のためのデータを集める拠点として機能するとのことなので、今回発表された機能は今後、あなたが住む街のマクドナルド店舗にも取り入れられる可能性があります。完全なオフグリッド(※1)ではないようですが、電力会社のインフラに依存しないレストランが誕生すれば、地域の支えになってくれることでしょう。

※1
オフグリッド:電力会社の送電網につながっていない状態、あるいは電力会社からの供給を受けずに、電力を自給自足している状態。

Source:https://news.mcdonalds.com/
Photo:Adobe Stock

(エコイスト編集部)


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