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冷蔵庫が太陽光エネルギーで稼働!

かつて日本には、テレビ、洗濯機、冷蔵庫の家電三種が、豊かな暮らしの象徴として「三種の神器」と呼ばれた時代がありました。高度経済成長期の大きな流れのなか、これらの家電は一般家庭に普及し、国民のライフスタイルは様変わりしました。それから、およそ60年がたった今、世界には未だに電気を使うことができない人が約12億人いるといいます。当然、三種の神器のような便利な家電を使うことは難しく、生活の質は変わらないままでいます。

そんな電力インフラが整っていないオフグリッド地域で生活する人々が、食品の保存をより安全で確実にできるように、ブラジルのYOUMMA社が太陽光エネルギーで動く冷蔵庫「NILO」を開発しました。同社の商品は、オフグリッドに対応した家電製品のコンテスト「グローバルLEAPアワード2019」の冷蔵庫部門で優勝。電力インフラのない地域の人々の生活の質を向上し、健康状態の改善や飢餓の解決にも貢献できるかもしれないと期待されています。

グローバルLEAPアワードは、製品のエネルギー効率の高さなどをメーカーが競うコンテスト。オフグリッド対応の家電という新興市場の発展と拡大とを目的としています。オフグリッド地域で家電を使うには、当然自然エネルギーを使うことになるため、エネルギー供給量は不安定になりがちです。そのため製品を普及させるには、エネルギーの効率が重要です。発電量の高いソーラーパネルを設置して、既にある先進国向けに開発された冷蔵庫を普及させる、ということは現実的ではありません。

同アワードによりますと、数ある電化製品の中でも、冷蔵庫の設計はエネルギー効率や耐久性、その他の機能とのバランスを取ることが特に難しいといいます。YOUMMA社のNILOは容量42リットルのコンパクトサイズと96リットルの2種類があり、定格消費電力は一般的なLED蛍光灯一つと同程度の13.3W(42リットル)と17.8W(96リットル)です。電力消費量は先進国で販売されている同等サイズの最新冷蔵庫の半分以下に抑えられています。

エネルギー効率の高さに加えて、同アワードでNILOが評価されたのは、メーカーとの協力を通じて製品の組み立てを現地でできるように模索した点です。現地で組み立てることができれば、製造コストを下げられるほか、雇用を生み出すことにもつながります。価格は未定ですが、平均的な冷蔵庫の40%未満になると発表されているといいます。

SDGsを行動理念とするYOUMMA社の目標は、電力インフラのない地域に住む人々の生活の質を向上させること。冒頭に例をあげた日本では、1960年以降、冷蔵庫が普及したことに伴い買い物に費やされる時間が減り、人々の生活習慣が変化しました。他国においても、食品の保存ができるようになれば、労働や他の活動の時間が増え、生活の質を向上させられる可能性があります。電気を通すには巨大な開発が必要でしたが、この冷蔵庫を使うために環境を壊すこともありません。同社の取り組みは、まさに持続可能な開発と言えるのではないでしょうか。

Source:https://www.yoummasolar.com/
Photo:Adobe Stock

(エコイスト編集部)


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