持続可能社会をみんなで

menu
English/Japanese
ecoistecoist

都市鉱山から生まれる腕時計

捨てられた電子機器の中に残る金やプラチナなどの貴金属が、都市に眠る宝の山という意味で「都市鉱山」として、80年代以降ずっと注目を集めています。世界中で廃棄される電子機器は年間で約5000万トンに及び、その価値は6兆円以上と考えられています。国連の発表によりますと、そのうちのリサイクル率はたった17.5%ほど。8割以上が再利用されずに処分されてしまっているのです。

そんなもったいないとしか思えない電子機器の廃棄物をアップサイクルして、腕時計を作るプロジェクトが英国で始まりました。動き出したのは「未来から来た服」をコンセプトに、これまでになかった素材で衣服を作っている英国のアパレルブランド Vollebak。開発中の時計は、その名も「Garbage Watch(ガベージウォッチ)」。現在は廃棄物の中からパーツを集めてプロトタイプを作っている段階で、商品化は2021年を予定しているそうです。

ガベージウォッチの材料には、コンピューターの基盤やスマートフォンのマイクロチップ、テレビの配線など、身近にありながらも普段目にすることのない電子機器の一部が使われるといいます。発表されたイメージの奇抜なデザインが示す通り、プロジェクトは常識を疑うことから始まりました。すなわち「ゴミだと思っているものがゴミではないとしたら?」「ゴミがこれから作ろうとしているもののために組み立てられた材料だとしたら?」という問いかけです。流通の末端である消費、そして廃棄という過程に目を向けて、生産から廃棄という既存のサプライチェーンの再構築を試みています。

ガベージウォッチの制作は、英国のカルチャー誌Wallpaperの企画「Re-Made」との連携プロジェクト。クリエイターとメーカーとを繋いで新たなものづくりをする企画「Handmade」を継承するプロジェクトで、何を、どのように、なぜ作り、どのように消費するのかを改めて問い、環境課題の解決手段として、ものづくりをするといいます。ガベージウォッチの他にプロジェクトで予定されている制作物は、広場の噴水や都市型ガーデニングキット、ファストフードの包装材料など。持続可能な素材を使い、循環経済を目指すといいます。

ガベージウォッチが訴える環境課題である都市鉱山。実際に人々が地面から金を掘り出している金鉱よりも、実に100倍多い割合で金が眠っているといいます。発掘にかける労力や温室効果ガスの排出量も少なく、同時に銀や銅など他のレアメタルも採掘できるなど、課題を解決することで得られるメリットは少なくありません。’’電子機器の廃棄物製’’の時計の発売によって、そんな都市鉱山に社会全体が目を向くことを期待します。

Source:https://www.vollebak.com/product/garbage-watch/
Photo:Vollebak

(エコイスト編集部)


おすすめのバックナンバーはこちら
100%リサイクル素材のポータブル充電器
靴底から靴ひもまでリサイクル可能!

2020.09.14