持続可能社会をみんなで

menu
English/Japanese
ecoistecoist

2020年上半期 世界の再エネ状況

東京オリンピックが開催され記念の1年になるはずだった2020年ですが、新型コロナウイルス感染拡大により、世界中が未曾有の事態に見舞われています。さらに追い討ちをかけるかのように、アメリカ・カリフォルニア州のデスバレーで54.4度という高温が記録されました。さらに、同じカリフォルニア州では、落雷が原因の大規模な山火事が発生するという異常気象が連続して発生しています。これらの異常気象は、気候変動問題が原因であることを実感していることでしょう。一刻も早く気候変動問題の原因となっている温室効果ガスを減らす、つまり、再生可能エネルギーでの発電に移行していくことが求められていますが、2020年上半期(1月〜6月)の再生可能エネルギーの進捗状況はどうなっているのでしょうか。非営利で独立した気候&エネルギーシンクタンク「エンバー(Ember)」が発表した、『グローバル電力分析2020上半期』を見ていきましょう。

2020年上半期の風力・太陽光発電量
2020年上半期の風力と太陽光発電量は、2019年上半期と比べて、14%増加しています。内訳は、太陽光発電が19%増加、風力発電が11%増加となっています。また、世界の電力に占める風力と太陽光の割合は、2019年の8.1%から2020年上半期には9.8%に上昇しています。これは、世界の電力のほぼ10分の1(9.8%)を風力と太陽光で生成している数値で、このシェア(10分の1)は、パリ気候協定が署名された2015年の4.6%から2倍以上となっています。図1の国別の風力と太陽光発電量を国別で見ると、中国(10%)、米国(12%)、インド(10%)、日本(10%)、ブラジル(10%)、トルコ(13 %)、EU21%、イギリス33%となっています。特に、EU国内のドイツでは42%と高い発電量であることが分かります。

テキスト, 地図 が含まれている画像

自動的に生成された説明
図 1:世界の風力・太陽光発電量

図2の各国の風力と太陽光の占める割合からも、国によってばらつきはあるものの、右肩上がりに増えていることが分かります。しかし、Emberのレポートでは、「風力と太陽光の成長数値は高いが、加速してない」と述べられています。

スクリーンショットの画面

自動的に生成された説明
図 2:各国の風力と太陽光の占める割合

2020年上半期の石炭による発電
次は、気候変動問題に大きく影響する石炭の推移を見ていきましょう。

レポートによると、世界中で発電するために使用された石炭は、2019年の上半期と比べると、8.3%減少しています。石炭減少の要因70%は、新型コロナウイルスによる電力需要低下によるもの、30%は風力と太陽光発電量の増加によるものとのこと。

石炭の使用は各国が削減する動きがあり、特にアメリカは31%、EUは32%の減少と大きく削減を進めています。しかし、大国である中国は2%の減少に止まり、図4から分かるように世界の石炭発電量に占める中国の割合は、2019年の50%、2015年の44%から、今年は54%に上昇しています。

図 3:各国の炭素削減率

図 4:中国の石炭生産量に占める割合

電力市場シェア
世界の発電量に占める石炭の割合は、2015年の37.9%から2020年上半期には33.0%に低下し、その低下した分を風力と太陽光に事実上置き換えていることになります。石炭の割合が減り、風力と太陽光の割合が増えることは、世界中で起こっている傾向で、特にインドの数値の伸びに注目が集まっています。

インドは、2015年の風力と太陽光発電のシェアが3%から、2020年上半期には10%まで上昇しています。同時に、石炭のシェアは、2015年の77%から、2020年上半期には68%まで低下しています。

文字と写真のスクリーンショット

自動的に生成された説明
図 5:各国の石炭と風力・太陽光の割合

再生可能エネルギーの普及は順調?
世界的に見ると、石炭の使用が減り、風力と太陽光発電が増えていることが分かり、一見、気候変動問題の解決に近づいていると思えますが、IPCCによる地球の気温上昇を1.5度以内に制限するシナリオを達成するには、10年間、毎年13%ずつ石炭の使用を減少させ、2030年までに石炭使用を6%にまで下げる必要があります。しかし、新型コロナウイルスによる電力需要不足になっても8.3%の減少にとどまっており、依然厳しく、遅れている状況であることは間違いありません。

コンピューターのスクリーンショット

自動的に生成された説明
図 6:これまでの石炭と風力・太陽光割合と2030年に目指すべき割合

気候変動問題解決は、CO2を大量に排出する経済活動をストップすることですが、実行後の世界が平和で安定した暮らしであるはずがありません。少しでも改善されるためには、再生可能エネルギー市場が成長を続けながら、スピードアップしていくしかありません。個人では、再生可能エネルギー比率の高い電力会社を使ったり、自宅の屋根で太陽光発電したり、石油から作られているプラスチック製品をなるべく購入しないなど、気候変動問題に貢献することはできます。異常気象が原因の自然災害で多くの人が命を落とす前に、できることを実践しましょう。

Source:https://ember-climate.org/project/global-electricity-h12020/
Photo:Ember

(エコイスト編集部)


おすすめのバックナンバーはこちら
着実に、そして、確実にGo RE100 !
遂に、再エネ発電が化石燃料発電量を上回る!

2020.09.17