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再生された水から作られたビール

地球の表面積の内、約70%は水に覆われていますが、そのほとんどが海水です。淡水の量は、全体のわずか2.5%であり、人類が利用できる量は約1%と言われています。このように利用可能な淡水が限られている状況に加えて、人口増加に伴う使用量の増加により、水不足の問題が懸念されています。また、インフラが未整備の地域においては、多量の生活排水や工場排水が河川に排出されており、水質汚染問題も生じています。これらの問題を解決する方法の一つが、廃水の再利用です。再生された水というとトイレ用水や公園の池の水に多く使われていますが、なんと、ビールにするアイディアがカナダで実践されました。

再生された水をビールに利用する取り組みは、カナダにあるカルガリー大学の研究者と地元の醸造所ヴィレッジ・ブルワリー、世界の水問題に対するソリューションを開発しているXylem社とのパートナーシップのもと行われました。廃水を飲んで大丈夫なの?と心配になりますが、発表によると、廃水は高度な処理技術によってカナダの飲料水基準を満たすレベルの水に再生されているため、安全には問題はないそうです。

安全な水に処理された水で作られたビールは、限定醸造で、地元の醸造所ヴィレッジ・ブルワリーで販売されています。8月22日には、オンライン発表会が行われ、ビール醸造のプロセスや持続可能な将来における水の再利用の重要性についても説明されたとのこと。

水は生命の維持をはじめ、人間のあらゆる営みの根幹に関わっています。水が関わる問題は、安全な飲料水が飲めない問題から、水汲みを行う子どもの就学の機会を奪っている問題まで多岐にわたっています。SDGsでも「目標6 安全な水とトイレを世界中に」と掲げられており、水は生命を維持するための飲料というだけではなく、人としての尊厳にまで関わっているため、2030年までに達成すべき目標の一つとなっています。今回紹介した再生された水でビールを作る技術が、安全な飲料水にアクセスできない地域で導入され、誰しもが安全な水にアクセスできる世界になっていくことを期待します。

Source:https://www.ucalgary.ca/news/
Photo:ACWA

(エコイスト編集部)


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