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再生プラを使用したアイスのカップ

甘いスイーツを食べた時の罪悪感を、ちょっと軽くしてくれるかもしれない、環境に優しいアイスクリームが欧州で発売されています。英国の一般消費財メーカー、ユニリーバのアイスクリームブランド「マグナム」が、再生プラスチックでのカップアイス容器の製造を拡大すると発表しました。ベルギー、オランダ、スペインでは既に2019年から再生プラスチック製カップでの販売をスタート。2020年末までにヨーロッパ全体にまで販売を広げ、2021年以降はグローバル展開を予定しています。

同社によりますと、アイスクリームのカップに再生プラスチックを使うのは業界で初めてとのこと。リサイクル製品がこれだけ日常に浸透している中で、アイスにはこれまで再生品が使われていなかったと聞くと、やや意外に思われる方もいるかもしれません。しかし、食品容器には中身の衛生状態を保つための品質が求められるため、他のリサイクル製品と比べて再生品の使用が難しいといいます。再生プラスチックは、使用済みのプラスチック製品の選別、洗浄、科学反応などを利用しての精製という過程を経て作られます。国によって基準はさまざまですが、こうしたリサイクルの過程で汚染物質を除去していることを証明しなければ、再生プラスチックを食品容器に使うことはできないのです。

さて、同社がアイスクリームカップに使用するプラスチックの原材料はPP(ポリプロピレン)。PPは、ビニール袋の原材料であるPE(ポリエチレン)やペットボトルの原材料のPET(ポリエチレンテレフタレート)と同じく、汎用プラスチックの一種です。雑貨や家庭用品など、強度をあまり必要としない製品に使用される材料で、身の回りにあるプラスチック製品はほとんどこうした汎用プラスチックです。その割合は、プラスチック全体の生産料のおよそ8割を占め、それ以外のものは、耐熱性や強度のより高いエンジニアリングプラスチックなどと呼ばれています。

そんな汎用プラスチックの一種のPPですが、食品容器に関しては、PPのみで作られることは少ないようです。ユニリーバ社はカップの構造について詳細は明らかにしていませんが、例えば、とあるインスタントカレーの容器はPET、PA(ポリアミド)、アルミ箔、PPという4種の素材で作られています。PETは耐熱性と寸法安定性、PAは強度、アルミ箔は酸素バリアと光の遮断性、PPはシール性と耐熱性、といったように、各々の素材が持つ特徴を組み合わせることで、食品衛生基準を満たす容器を作り上げているのです。ですので、一つの容器を完全に再生プラスチックのみで作ることは、技術的にかなり難しいものといえそうです。

ユニリーバ社は、マグナムブランドを通じて、2025年までにバージンプラスチックの使用をなくすことを目標とすると公表。2020年までの成果としては、ペットボトル2300万個に相当する再生プラスチック材料で1300万個のカップアイス容器を製造するといいます。今回の同社の発表に際して掲げられた見出しは「責任を伴う真の喜び」。この言葉は、アイスクリームという、いわば贅沢な食べ物こそ持続可能な商品でなければ今後世に受け入れられない、という責任感が表現されているように思えます。

Source:https://www.magnumicecream.com/uk/stories/food/
Photo:Magnum

(エコイスト編集部)


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