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インドで開発されたソーラーツリー

現実は小説より奇なりということわざがありますが、ディズニー映画「アナと雪の女王」のように、アメリカ・コロラド州のデンバーでは、気温が31度も急低下し、猛暑から降雪へと変わる事象が、9月7日から8日にかけて発生しました。このデンバーで起こった事象以外にも、カリフォルニア州東部のデスバレーで54.4度の気温を記録するなど、各地で異常気象が発生しています。全ての異常気象が、気候変動や温暖化との因果関係が解明されている訳ではありませんが、地球からのSOSとも取れる事態が世界各地で発生しています。

異常現象の原因とも言われる気候変動や温暖化を緩和するには、温室効果ガスの削減が必要です。そのためには、化石燃料に変わるエネルギーである再生可能エネルギーを増やす必要があり、再生可能エネルギー比率を高めようと、各国が精力的に取り組んでいる状況です。この状況を後押しするような、太陽光発電システムがインドで開発されました。

その太陽光発電システムは、科学産業研究評議会(CSIR)と中央機械工学研究所(CMERI)によって開発され、ソーラーツリーと呼ばれています。ソーラーツリーは、一本の柱を軸に、木の枝のように太陽光パネルが取り付けられている構造となっています。また、ソーラーツリーに設置されている太陽光パネルは、1つあたり330wの容量を持っており、それらが35個設置されているため、合計で11.5kWの電力を生成するとのこと。そして、ソーラーツリーの柱は調整が可能なため、傾斜を調整することで、発電効率を最大にすることができます。さらに、各太陽光パネルの効果を最大にしながらも、その下の影を最小限に抑えるように設計されています。加えて、ソーラーツリーには、24時間体制の監視カメラ、リアルタイムの湿度・温度・風速・降雨予測・土壌分析センサーなど、IoTをベースにした機能を適応させる機能も備えられています。

中央機械工学研究所(CMERI)のディレクターであるHarish Hirani博士は、次のように述べています。『ソーラーツリーは、年間12,000〜14,000 kWhのクリーンな電力を生成することができ、生成されるエネルギーは、リアルタイムまたは毎日のいずれかで監視することができます。さらに、ディーゼルの代わりに、農業で必要なポンプや耕運機などにも使用できる可能性があります。』

広大な土地を持つ国や地域ならば、野立ての太陽光発電所を数多く作ることは可能ですが、使える土地面積が少ない国や地域にとって、太陽光発電に適した土地には限りがあります。しかし、ソーラーツリーは、土地を農業などに有効活用しながらも、頭上で大容量発電ができます。さらに、その電気を使って農業機械を動かすことができれば一石二鳥以上の効果が期待できます。ソーラーツリーは、土地面積の少ない国や地域の有効な発電手段となるかもしれませんね。

Source:https://www.csir.res.in/slider/
Photo:CSIR-CMERI

(エコイスト編集部)


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