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エコタウン 北九州市がアジアの都市のグリーン化を支援

 先日、UN enviromentのサイトで北九州市の取り組みが記事として紹介されました。1960年代の北九州市は、高度成長期の日本を支える重工業の中心地でした。工場からの未処理の廃水が直接流れ込んでいた洞海湾は「死の海」と呼ばれ、上空には煤煙や化学物質が流れ出ていました。

 公害で人々の健康被害が出始めると、1950年に、北九州市戸畑区の婦人会(戸畑区婦人会協議会)が 子どもの健康を守るために立ち上がります。婦人会は「青空がほしい」というキャッチフレーズを掲げ、自ら大気汚染の状況調査や工場視察などを行い、市や企業に改善を求めました。市や企業はこれを受け、婦人会や研究機関と連携し、公害の解決策を模索し始めました。1990年代には、自動車の排気ガスや家庭ごみについて、同様の協力が行われます。

 これらの取り組みが実を結び、産業の荒れ地だった北九州市は、魚の住む洞海湾や、美しい青空を取り戻し、「奇跡の街」と呼ばれるようになりました。1997年には川崎市、岐阜県、長野県飯田市とともに、経産省が定める「エコタウン」の承認を日本で初めて取得。今では全国26の自治体が承認された、エコタウンのモデルケースとなりました。

 また、北九州市の取り組みは海外でも評価されていて、市は1990年に国連環境計画(UNEP)の 「グローバル500賞」 を受賞したほか、2011年には経済協力開発機構から「グリーン成長モデル都市」に選定され、最近では、持続可能な開発目標(SDGs)を推進するためのパイロット都市・地域に選ばれています。

 北九州市は2010年以降、世界16ヵ国78都市で、200件近い環境配慮型のプロジェクトを実施。2019年8月2日には、市とUNEPは共同で記者会見を開き、東南アジアのプラスチック汚染を解決するため、廃棄物管理に係る協力関係の強化を発表しました。UNEPアジア太平洋地域事務所長のデチェン・ツェリン氏は、「廃棄物管理に関する北九州市のノウハウは、プラスチック汚染の撲滅に取り組む上で大きな財産となります」と述べ、北九州市長の北橋健治氏は「私たちは、長年に渡って得た教訓を、多くの都市や地域と共有したいと思います」とコメントしました。

(エコイスト編集部)

2019.09.12