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地球は大切な経営基盤であるという認識

 世界的にプラスチック使用量を減らす動きや、個人でもノープラスチック生活を自ら実践する人も出てくるようになりました。NHKのクローズアップ現代では、今年に入ってからプラスチックの話題を何と10回も放送しています。これは危機迫る状況があるといっても過言ではないのでしょうか。そうは言っても、すぐにプラスチック製品を全く使わずに生活することは容易ではありません。特に軽くて丈夫なペットボトルは、生活の中でも重宝していますので。そのペットボトルも、少しずつ環境に負荷をかけない作りに変化しているのです。

 サントリーグループは、プラスチックの持つ有用性を保ちつつ、環境負荷を軽減する取り組みを行っており、2019年5月には「プラスチック基本方針」を策定しました。この基本方針は、「2030年までにグローバルで使用する全ペットボトルの100%サステナブル化を目指す」というもの。”100%サステナブル化”とは、ペットボトルの素材をリサイクル素材と植物由来素材に切り替え、化石由来原料の新規使用をゼロにするということ。その他にも、容器のデザインを変更することにより、プラスチック使用量の削減を推進していくとも発表しています。

 この11月にはグローバルなアライアンス「Global Plastic Action Partnership(以下GPAP)」にも加盟しました。GPAPは、プラスチックによる環境課題の解決を目的に、世界経済フォーラムを基盤とした官民連携により創設された、プラスチックの循環型経済を目指すグローバルなコラボレーションです。GPAPは、イギリス、カナダ政府をはじめ、企業や投資家など、多岐にわたるメンバーで構成されています。サントリーグループはGPAPへの加盟を通じ、持続可能な社会に向けてプラスチックによる世界的な環境課題解決に連携して取り組むそうです。この他にも、「サントリーグループ環境基本方針」や「サントリー環境ビジョン2050」など、プラスチック以外のガイドラインも設け、グループ全体で環境負荷軽減に取り組んでいくとのこと。

 環境問題の解決に向けて、サントリーグループの取り組みは多岐にわたっています。まず、日本の飲料業界で初めて、再生PET樹脂の使用率100%のペットボトルを精製しました。これまで回収されたペットボトルは粉砕されたのち、洋服などに生まれ変わっていましたが、PET樹脂の不純物を高温・減圧下で吸い出して、再びペットボトルとして利用するようになりました。すなわち、ボトルからボトルにリサイクルできるようになったのです。このほか、植物由来原料を30%使用したボトルを採用したり、植物由来原料100%のキャップを導入したりと、見た目はこれまでのペットボトルのようで、実は全く違う精製方法になっていたということです。

 次は、商品が販売されている自動販売機。同社の最新自動販売機は、消費電力国内最小の「超省エネ自動販売機」で、従来のヒートボンプ式自動販売機に比べて約半分の電気で稼働するというもの。また、資源を有効利用するため、回収した自動販売機の部品を再利用する取り組みも行っています。そのリユース率はなんと61%という高さ。ペットボトル同様、駅構内や街中にある自動販売機も進化しているのですね。

 そして、最後に物流ですが、倉庫や店舗への配送にあたっては、最適な車両の組み合わせとルートを計算する「統合配車システム」を導入しており、このシステムによりトラックの走行距離・時間の削減を図っているとのこと。さらに、他社と貨物情報を共有し、1台の車両に複数企業の荷物を組み合わせるなど、運送時のロスを減らす工夫で、環境負荷の低減も図っています。この他、トラックに比べてCO2排出量が少ない鉄道・海上船舶輸送に変換するモーダルシフトも推進しています。

  ペットボトルひとつとっても、こんなに変化しているとは驚きです。水を使う企業にとって、地球環境は大切な経営基盤と考えられており、だからこそ、環境のことを考えた経営を推進しているのです。しかしながら、これは飲料水を扱う業界に限ったことではなく、地球環境が壊れてしまってはいずれの企業も活動できないため、すべての企業に通ずる考え方といえますね。

Photo:サントリーホールディングス株式会社

(エコイスト編集部)

2019.12.12