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食糧確保の課題をコオロギが救う?

 SDGs 17個の目標では、2番目に「Zero Hunger:飢餓をなくそう」があるほど、満足に食べることが出来ず、苦しんでいる人が多勢います。そして、2050年には世界人口が97億人に達するとも言われています。このままの社会情勢で人口が増えるとどうなるのでしょう。食糧が世界中にまんべんなく行き渡るとは想像しがたいと思いませんか? 日本だけで考えると、人口減少で食糧危機は起きないかもしれません。しかし、それで本当に良いのでしょうか。

 この食糧確保問題と環境問題を避けては通れない課題と考えている株式会社良品計画は、「コオロギせんべい」を無印良品の一部店舗とネットストアで、2020年春に発売すると発表しました。良品計画は、ご存知のように無印良品を企画開発・製造から流通・販売を行う会社で、世界中の様々な国・地域において生活に必要な商品の販売のみならず、社会でいま起きている様々な課題に目を向けています。

 この考えから、食糧確保問題や環境課題を多くの人が考えるきっかけにして欲しい、と「コオロギせんべい」の開発に至ったのです。コオロギせんべいは、昆虫食研究の第一人者である徳島大学と協業して開発されました。徳島大学からは食用コオロギの実用化に向けた研究成果を、良品計画からは商品開発プロセスを共有し、おいしく食べられる昆虫食の開発を進めているそうです。

 なぜ、食糧確保問題と環境問題への対策として、コオロギが使われているのでしょう。1つ目の理由として、”栄養価が高い”理由があげられます。タンパク質やカルシウム、鉄分などを体内に多く含んでおり、これらの栄養素をひとつの食材から効率よく摂取できるというメリットがあるのです。次に”環境負荷が少ない”からです。主な動物性たんぱく質資源の家畜に比べて、生育する際の温室効果ガス排出量や、必要な水やエサの量が圧倒的に少なく、環境負荷も軽減されるといわれています。そして、“生産が効率的”だからです。飼育しやすく安定して生産でき、他の昆虫よりも成長が早く、約35日で収穫できるという点で高く評価されています。また、エサは主に穀物類ですが、雑食なのでエサの選択肢が広く、未利用のまま廃棄される食糧の問題にも貢献する可能性があるとも言われています。これらの理由から、コオロギはスーパーフードとも呼ばれ、無印良品のコオロギせんべい以外にも、クリケットパスタやコオロギ塩なるものも登場しています。

 ちなみに、良品計画にコオロギせんべいの味について質問したところ、サンプルを試食した社員からは、「エビみたいで意外と美味しい」という声が多いという回答でした。また、商品化にあたり試作したコオロギの形状を残したフリーズドライのものに対しては、心理的な抵抗がある人もいましたが、パウダー状にすると抵抗感がなくなるという結果であったそうです。

Photo:株式会社良品計画

(エコイスト編集部)

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