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造船古材を趣のある家具に!

“日本最大の海賊”と言わしめ、後世にも名が残っている「村上海賊」。船を襲い、金品を強奪する「パイレーツ」とは対照的な存在で、航海の安全を保障し、瀬戸内海の交易・流通の秩序を支える集団であったと言われています。愛媛県・今治から広島県・尾道をつなぐ芸予諸島を訪れると、行き来する船の多さ、船が住民の足となっていることに驚かれるでしょう。海と生活を共にする瀬戸内では、造船・海事が盛んで、今治市は、「日本最大の海事都市」とも呼ばれています。世界を往来する船を作るこの町では、これまでに、何千・何万トンという造船古材が廃棄・焼却処分されてきましたが、造船古材特有の風合いを活かし、家具にアップサイクルする「瀬戸内造船家具プロジェクト」が始まりました。

「瀬戸内造船家具プロジェクト」は、株式会社オズマピーアール(東京都千代田区)、浅川造船株式会社(愛媛県今治市)、ConTenna(愛媛県伊予市)の3社による共同プロジェクトです。古材に「瀬戸内造船家具」という新しい役割を与え、社会に流通させることで、愛媛県の地場産業である造船を起点に「未来の地球環境」を守る循環型社会への貢献を目指すそうです。

瀬戸内造船家具の商品は、浅川造船の工場で船を建造する過程の木材(足場板)を使用し、注文を受けてから職人がひとつひとつ手作りで製作されます。既製サイズに加え、一部商品はオーダーメイドも可能とのこと。使われる足場板は、希少な厚さ50mmの国産の杉が使われており、古材のヴィンテージ感も残しつつ、スタイリッシュな風合いを楽しめます。家具のフレームには、ほのかに黒く光り、独特な手触りなどの素材感を演出する「国皮鉄」が採用されています。鉄材をつくる過程でうまれる黒皮(※1)は、再現不可能な世界でひとつだけのフレームとして、家具の個性をさらに演出してくれるものとなっています。

今回の発表では、ダイニングテーブルやロングテーブル、学習机、ヴィンテージミラー、ヴィンテージ足場セットなど11種類が発表されています。どの家具も、天板面の色味や風合いが一つとして同じものが存在せず、経年変化した木材特有の風合いや、塗料跡ならではの味わいを「ヴィンテージの特性」として楽しめます。

地場産業である造船が、古材のアップサイクルでさらに愛媛を盛り上げていって欲しいですね。ちなみに、「瀬戸内造船家具プロジェクト」で製造された家具は、オンラインマーケットプレイス「iichi」と、愛媛県伊予市のセレクトショップ「ConTenna」で販売されています。

▶︎オンラインマーケットプレイス「iichi」
https://www.iichi.com/shop/contena

※1
黒皮:鉄材が作られる時、圧力をかけて伸ばされる過程で自然に発生する黒い膜(酸化皮膜)のこと。

Photo:瀬戸内造船家具

(エコイスト編集部)


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