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外部充電ナシでも走るEV登場!?

自動車を購入する際に、自動車税、自動車重量税が軽減される優遇措置の「エコカー減税」というものがあることをご存知でしょうか。エコカー減税の対象車は、環境性能に優れたクルマ、すなわち、次世代自動車といわれている、電気自動車、燃料電池自動車、プラグインハイブリッド自動車、クリーンディーゼル車となっています。なかでも、電気自動車は地球温暖化の原因とされる二酸化炭素などの大気汚染物質を排出しないため、気候変動問題への対策として最も注目されているのですが、充電スポットの整備やガソリン車と比較して航続距離が短いなど、クリアしなければならない課題がありました。しかし、そういった課題をクリアして、外部からの充電ゼロで走るという国産電気自動車の登場を期待させる発表がありました。

2020年7月、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDO)とシャープは、世界最高水準(変換効率31.17%)の高効率な太陽電池セルを活用し、電気自動車用太陽電池パネルを製作したと発表しました。その太陽光電池パネルは、定格容量(※1)1kWを超える発電を達成し、走行距離や走行時刻などの利用パターン次第では、外部電源からの充電回数をゼロにできると試算しています。

日産自動車の協力の下、公道走行用の実証車両(実証EV)は、太陽電池パネルの設置面積が広いミニバンタイプの「e-NV200(蓄電池容量40kWh)」が選ばれました。太陽光電池パネルの厚さは0.03mmの薄いフィルム状のため、ルーフだけでなく、エンジンフードやバックドアにも効率よく設置。この効率的な設置により、車体の限られた設置面積で定格発電電力1150Wを実現できたということです。今後は、この実証EVを用いて、蓄電池(蓄電池容量:40kWh)との組み合わせによる航続距離や充電回数を検証し、車載用電池の普及に生かすそうです。

この実証EVの他にもNEDOとシャープでは、トヨタ自動車のプラグインハイブリッド車「プリウスPHV」に太陽電池を搭載した実証実験を2019年7月から実施していました。モーターのみで走行するEV走行距離の延長や燃費改善、充電回数を減らすなど利便性向上の効果検証を実施しています。

今後は、日産自動車・トヨタ自動車との実証結果による公道走行実証のデータと併せて、IEA(国際エネルギー機関)の太陽光のワーキンググループであるPVPS TASK17(※2)などの国際的な調査活動に生かしていくとも発表内で述べられています。充電ゼロの電気自動車が一般的になれば、電力を生み出す際に発生するCO2も大きく削減されることとなります。期待に胸を膨らませて、次世代自動車の誕生を待ちたいと思います。

※1
定格容量:太陽光発電に使用される太陽電池セルの理想的な条件のもとでの発電能力値

※2 
IEA PVPS task17:国際研究協力プログラム「IEA PVPS」の研究テーマのひとつ。太陽光発電システムを搭載した移動体の省エネ効果や要求される仕様について、国際的に調査を行う日本主導の活動。

Photo:国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構/シャープ株式会社

(エコイスト編集部)


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