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コロナで絆までも失わないために

「援助より貿易をしてほしい」 あるネパールの女性に言われたその一言がきっかけで、有限会社ネパリ・バザーロ(以下ネパリ・バザーロ)は、ネパールの伝統的な技術や農産物を活かした商品のフェアトレードを行う目的で設立されました。「ネパリ・バザーロ」という名称はエスペラント語(※1)で、「ネパールの市場」という意味を持ち、国境、民族、宗教を超えて世界がつながり、平和な社会が築かれることが願い続けられています。ネパリ・バザーロは、ネパールで厳しい生活を余儀なくされている人々の就業の場の拡大を目指し、自立を支援しています。頻繁に生産現場を訪れ、生産者から直接話を聞いたり、改良箇所を討議したり、企画開発を行うなど、これまで顔の見える関係を大切にし、強い信頼関係に基づくパートーシップを築いてきました。

しかし、新型コロナウイルスにより、ネパールの首都カトマンズのロックダウンが行われ、3月末から国際線の運航停止も続き、なかなかネパールから商品が届かない状況が続きました。9月2日に再開はされたものの、国内線や長距離バスも止まっており、ネパール国内の移動もままならず、陸の孤島と言われるシリンゲ村では、生活に必要な物資さえも届いていないそうです。このような状況の中、特に立場の弱い女性は追い詰められ、家族間の問題が噴出し、自殺や殺人事件が頻繁に起きているとのこと。しかし、9月26日のネパリ・バザーロのFacebookで、ネパールからの商品が入荷したと報告がありました。この喜びは、関係者の方々にとってひとしおのことと思います。

現在、ネパールも日本同様にコロナ禍以前には戻っていません。落ち着いたからといって、生産者の女性たちが全員戻ってくることができる状況でもなさそうです。しかし、長い時間をかけて築いたパートナーシップの縁が切れてしまうことだけは避けなければなりません。生産者団体のスタッフが生産者の自宅を訪ねるなど、どうにかその糸が切れてしまわないように必死に努力しているそうです。

ネパールの社会的立場の弱い人々が苦しみを強いられている状況に、日本にいる私たちが直接手を差し伸べることは難しい状況です。しかし、他の国々でも人々が苦しみを強いられていること、それにより暴力や差別が連鎖的に起こっていることなど、世界で何が起こっているかを知ることは大切なことです。ネパリ・バザーロのホームページには、ネパールの様子がレポートされ、現地の生の様子を感じることができますので、ぜひ、サイトを訪問されてみて下さい。

▶︎ネパリ・バザーロの通信サイト verda
https://www.verda.bz/

※1
エスペラント語:ポーランドの眼科医 ラザロ・ルドヴィコ・ザメンホフが1887年に創案した、中立公平で学びやすい国際共通語。

Photo: 有限会社ネパリ・バザーロ

(エコイスト編集部)


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