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懐かしい経木を現代の生活にも

現代は、肉・魚・野菜・お菓子、すべての物がプラスチックに包まれていると言っても過言ではないのでしょう。では、プラスチックが無かった時代は?「経木(きょうぎ)」と呼ばれる木を薄くスライスしたものを包装に使っていました。経木は、適度な湿度を保つ調湿作用、通気性、抗菌性に優れ、腐敗を抑制し、食材の鮮度を保つ特徴を持っているため、おむすびやお肉も経木で包んでいたそうです。しかし今では、日本で経木を生産している工場は数少ないと言われています。そんな中、経木が暮らしの中で当たり前に使われる未来を目指している会社がいます。アカマツを使用した経木の新ブランド「信州経木Shiki」を立ち上げた、株式会社やまとわ(以下やまとわ)です。

やまとわがある長野県伊那市は、民有林の中で2番目にアカマツが多い地域です。しかし、松枯れ病の影響によりアカマツが次々に枯れてしまい、しかも、感染したアカマツは、材木として使うことが難しくなってしいます。こうした現状に対し、『アカマツが枯れゆく前に、新しい命を吹き込みたい。』そう考えたやまとわは、経木の可能性に着目し、経木文化をもう一度復活させたいと、生産に挑みました。長野市の信州新町で約80年以上、経木を生産し続けている御年94才の山岸さんから経木の生産機械を譲り受けて始めたものの、そう簡単には行かなかったようです。しかし、約1年半の試行錯誤の末、「信州経木Shiki」が完成しました。ブランド名である「信州経木Shiki」には、「敷き」「織」「四季」の意味が込められているそうです。

経木の使い方は、大きく分けて4つ。まずは、「敷いて使う」。経木は油や水分を吸ってくれるので、揚げ物や焼き魚の下に敷くのがおすすめです。また、まな板の上に敷いてお肉や魚を切る時に使用すると、まな板に直接ドリップがつかないため、便利です。次に、「包んで使う」。おにぎりを適度な湿度を保つ調湿効果のある経木で包めば、まるでおひつに入れていたかのようなごはんが楽しめます。原料はアカマツ100%の自然素材なので、キャンプに持っていけばそのまま焚火の中に入れて燃やすことも可能です。また、万が一、森に落としてきても土に還ります。そして、「保存に使う」。肉や魚を包んで保存すると、菌の繁殖を抑えるともに、ドリップを適度に吸い、劣化を防ぎ、味と鮮度を保つことができます。最後に、「飾りに使う」。お皿の上に1枚敷いて盛り付けするだけで、彩を添えてくれます。

昔は暮らしの身近にあった、木。身近にあるものを使いつくるという知恵と、環境、身体への優しさを併せ持った経木は、豊かな地球を未来へつなぐ、自然素材と言えるでしょう。いきなりプラスチック製品を一切取り入れない、ということではなく、まずは暮らしの中で少しずつできることを。「信州経木Shiki」は、そんなアクションのきっかけとなる製品かもしれません。

▶︎信州経木Shikiブランドサイト
https://shinshukyougi.jp/

Photo: 株式会社やまとわ

(エコイスト編集部)


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